滑り込みの支配下登録
DeNAの宮國椋丞投手が1日、先月30日に育成契約から支配下登録となったことを受け、記者会見を行った。
宮國は「まず、ここまで支えていただいた方々に、この場を借りて感謝したいと思います。本当にありがとうございました」と謝辞を述べつつ、「ここからが勝負という気持ちを持って、ベイスターズさんの勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思います」と力強く抱負を語った。
昨年11月に巨人から戦力外通告を受け、入団テストを経て3月にDeNAと育成選手契約を交わした宮國は、ここまでの6カ月間を振り返り、「相当長かったですけど、思ったよりも早めに登録していただいた」とコメント。ファームでは「以前と違った自分を出せるようにとスタッフさんにも協力していただき、色々チャレンジさせてもらいました」と、新たなスタイルを模索したことを明かした。
具体的にはストレートの質が向上したとのことで、「空振りを取れるピッチャーではなかったのに、空振りやファールを取れるようになった。そういう部分を実感している」と自信を深め、「プロ生活11年目に入らせていただいたんですけど、自分の中で感覚的には11年目にして一番いい」と言い切った。
再び打倒ジャイアンツへ決意
2010年のドラフト2位で巨人に入団した宮國は、この吉報をかつてのチームメイトである坂本勇人や菅野智之らにも報告。その中でも自主トレを共にするなど親交の深い内海哲也(西武)に連絡した際、「僕より嬉しがって叫んでいた」ことなどを明かした。
育成契約の会見でも「打倒ジャイアンツという気持ちでやっていきたい」と公言していたが、支配下登録を勝ち取ったことで同じ土俵に立つことができた。「去年の11月のことを考えると、ベイスターズに入ることすら想像できなかった。対戦することがあれば思い切って成長した姿を見せたいと思います」と、改めて古巣への恩返しを誓った。
2013年には開幕投手を任されるなど、大きな期待を寄せられていた28歳は、新天地で先発ローテーションへ食い込んでいけるのか。会見では常に笑顔を絶やさなかった琉球右腕に期待したい。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)