○ 巨人 2 － 0 ヤクルト ●
＜16回戦　京セラD大阪＞

　巨人のエース・菅野智之が復活を印象づける後半戦初勝利を挙げた。3位・ヤクルトとの上位対決で8回1安打無失点の快投。4月23日・広島戦（東京ドーム）以来131日ぶりとなる今季3勝目（5敗）を手にした。

　菅野はカットボールとスライダー、ストレートのコンビネーションが冴え渡り、立ち上がりから5回までノーヒットピッチング。6回二死の場面で1番・塩見泰隆に三塁への内野安打を許し大記録は逃したが、後続を許すこともなく8回まで危なげなくゼロを並べた。

　打線は相手先発・高橋奎二の前に苦戦し、3回に1番・丸佳浩が放った2ランどまりだったが、この日は菅野が打者26人に対して1安打無失点、8三振2四死球の内容でスキを見せない快投。外野に飛んだのは青木宣親と山田哲人の外野フライ計3本で、最後までヤクルト打線を翻弄した。

　最終回は守護神のチアゴ・ビエイラが160キロ超を連発する圧巻の投球でシャットアウト。2011年にファルケンボーグ（ソフトバンク）が記録していたNPBの外国人選手記録を更新する32試合連続無失点で締めくくった。

　お立ち台に上った菅野は「ちょっと時間はかかりましたけど、なんとか自分らしいピッチングはできたかなと」と自身の投球を振り返り、「ある程度は投げられましたけど、それ以上に誠司がうまく引っ張ってくれたので、より楽に投げることができたんじゃないか」と、好リードでサポートした女房役の小林誠司にも感謝を示した。

　今季はここまでファームでの調整を重ねる苦しいシーズンとなっているが、「色んな人がこの登板にあたって携わってくれましたし、自分自身も味わったことのないような経験だったので。どうしていいかわからない時期もあったんですけど、誰もが順調に野球人生を最後まで歩めるわけじゃないと思ってますし、それがいま来たんだなと自分自身に言い聞かせて、現実を受け止めて毎日過ごしてきました」と復活へ歩んできた日々を振り返った。

　131日ぶりの勝利で長いトンネルを抜け出したものの、「まだまだなので。ここから大事な戦いしかない。一戦も落とせないという気持ちでチームは戦うと思いますし、自分もその覚悟でマウンドに上がるので、取り返していきたいです」と、後半戦の巻き返しを誓った。