圧巻の投球に「感動すら覚えました」
パ・リーグ首位のロッテが楽天を相手に劇的サヨナラ勝ち。
同点の9回二死、すでにアーチを架けていたブランドン・レアードがこの日2本目の本塁打を放ってチームを勝利に導いた。
この試合の大きな注目ポイントとなっていたのが、ロッテ・佐々木朗希と楽天・田中将大の投げ合い。
8月28日・楽天戦以来の登板となった佐々木は、初回から最速157キロを計測するなどエンジン全開。
4回まで一人の走者も許さないパーフェクト投球を展開していく。
2回にレアードのソロで1点をもらい、3回にも荻野貴司の適時打で追加点。
本拠地・ZOZOマリンでの初白星に向けて突き進む佐々木だったが、5回に先頭の茂木栄五郎にこの日はじめての安打を許すと、岡島豪郎の二ゴロの間に失点。それでも2-1で5回を終え、勝利投手の権利を得る。
しかし、続投した6回に山﨑剛に痛恨の被弾。今季1号をバックスクリーンまで叩き込まれ、試合を振り出しに戻されてしまった。
味方も粘る田中将大を打ちあぐねた中、佐々木は7回も続投。先頭の島内宏明から鈴木大地にかけて3者連続三振を奪う快投を見せると、8回も岡島豪郎とオコエ瑠偉を連続三振に仕留めてこれで5者連続。
最後は炭谷銀仁朗を捕邪飛に斬り、この日はプロ最長の8回を投げて99球。被安打は2、無四球・9奪三振で2失点という好投。本拠地初勝利こそならなかったが、見事な投球で試合を作った。
10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した金村義明氏は、この日の佐々木の投球について「驚きましたね。7回で代わるのかなと思っていたら、7回からギアチェンジして奪三振ショー。驚きしかないというか、これだけ成長したのかと。感動すら覚えました」と賛辞の言葉を並べた。
経験豊富な田中将大との投げ合いの中、そんな空気にも負けない堂々たるマウンドさばきにも注目しつつ、「捕手に対して首を振るシーンもあって、首を振ってストレートを投げるんですよ。自分のストレートにものすごく自信を持ってきたんだなという感じも」とし、プロに入ってからの成長ぶりに言及。
依然として間隔を空けながらの登板が続いているが、「優勝争いに向けて大きな戦力になるなと、そう思わせるようなピッチングでしたよね」と語り、決して未来への投資ではなく、負けられない戦いが続く中で、しっかり戦力としても期待できることを強調した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』