最後の挨拶まわり「野球界を引っ張っていってもらいたい」
野球日本代表・侍ジャパンの稲葉篤紀監督は18日、京セラドーム大阪を訪ね、オリックスと西武の監督コーチ、東京五輪参加選手に挨拶と激励を行った。
代表取材に応じた稲葉監督は「みなさん祝福をしていただきましたし、非常に喜んでいただきましたし、12球団の方々のご協力がなければ金メダルもなかったと思う。そういう意味でも感謝の気持ちを12球団の監督、コーチを含めてですね。球団の人たちに伝えさせていただきました。選手には感謝しかなかったですから、感謝の気持ちを述べさせていただきましたけど。(選手は)非常に喜んでいました。『ありがとうございました』と言っていただきましたし、この4年間かけて選手たちとホントにいい関係を築くことができたなと思いました。この選手たちとやれて勉強になりましたし、感謝の気持ちしかありません。若い選手もたくさん出てきましたし、これからも野球をしっかり背負ってということも伝えさせていただいたんですけど、こういう若い世代がもっともっと野球界を盛り上げて、欲しいなと思います」とコメント。感謝とともに今後のさらなる活躍に期待を込めた。
五輪後に各球団をまわり、今回が最後の挨拶回りになったが、「12球団の方々にご協力いただきましたし、これまで関わってくれた選手、スタッフ、裏方さんも含めて、非常にいろんな方たちとやれて、勉強になりましたし、もの凄い有意義な時間をこの4年間、過ごさせていただきました」とともに日の丸を背負った戦友に感謝。「これで退任という形にはなりますけど、少しでもプロ野球に恩返しができるように、今後もやっていきたい。少しでも関わってくれた選手は気になってますから、選手の成長は見続けていきたい」と、今後もプロ野球界に関わっていく意向を示した。
東京五輪でエースとして初戦と準決勝の先発を任せた山本由伸については「初戦という最初の入りが難しい中で投げてもらったんですけど、初戦という大事なゲームで、ゲームを作ってくれました。オリンピックは2試合投げてもらったんですけど、改めてああいう度胸も含めて素晴らしい投手だなと感じてます」と振り返った。
シーズンに戻ってからも圧巻のパフォーマンスで破竹の11連勝と驚異的な活躍を見せていることに関しては、「疲れが出なければいいなと心配してたんですけど、今は勝ってくれてるので、こういう経験が今後彼に生きてくればいいと思うし頑張って欲しい。もともと彼は精神的にも非常に素晴らしいものもっていますし、切り替えもできる。大人の対応もしますし、人の話を聞く耳ももちますし悪いところないんじゃないですか。それぐらい素晴らしい選手。日本のエース。ホントに球界ナンバーワンの選手と言っても過言じゃないと思いますし、野球界を引っ張っていってもらいたい」と最大級の賛辞を並べた。
また、怪我により離脱中のオリックスの吉田正尚については「怪我をしてしまって話が出来ていないので、残念には思いますけど、1日も早く回復してもらって、今オリックスも優勝争いしてますから、早く治してまた一軍で活躍する姿を見たい」とエールを送った。
東京五輪では侍ジャパンの投打の柱を送り出したオリックス。若手有望株も続々と台頭しているだけに、新監督のもと行われる次回のWBCではさらに多くの選手が世界の舞台で活躍するかもしれない。
取材・文=どら増田