12連勝で今季15勝目
パ・リーグ2位のオリックスが連敗をストップ。
楽天との2位・3位直接対決は初戦を3-4で落としたが、25日の試合はエース・山本由伸が8回2失点の力投でチームに白星をもたらした。
山本由伸と岸孝之の両先発による投げ合いが予想された試合は、初回からいきなり動く。
オリックスは一死から2番の宗佑磨が甘く入った変化球を思い切り引っ張り、弾丸ライナーでライトスタンドに突き刺す今季第6号。
「ピッチャーが由伸なので頑張って投げてくれると思いますし、なんとか先制点を取りたいと思っていたので、良い結果になってくれて最高です!」と語った先制ソロで早々にエースを援護する。
さらに4回には二死二塁からスティーブン・モヤの適時打で1点を加え、6回にも一死二・三塁からモヤの適時打で追加点。3-0とリードを拡げ、試合は終盤へ。
走者を出しながらも6つのゼロを並べてきた山本は、7回に先頭の茂木栄五郎にストレートの四球を与えてしまうと、一死から渡邊佳明にはストレートをとらえられ、ライトフェンスに直撃する二塁打。
二・三塁のピンチを迎えると、二死から山﨑剛にライト前に落とされる安打を許し、この間に二者が生還。後続は斬るも、たちまち1点差に迫られてしまう。
8回も二死一塁から茂木にライト線への二塁打を許したが、一塁から一気の生還を狙った岡島豪郎は右翼手の杉本裕太郎から安達了一、捕手の若月健矢へとつなぐ中継プレーで間一髪アウト。
三塁側の楽天ベンチからリクエストの要求も、判定は変わらず。山本は8回を投げて120球、被安打が7本に与四球が3つと苦しい投球を強いられながら、9奪三振で2失点と試合を作った。
1点差の9回はベテランの平野佳寿が安打を1本許しながらも無失点で締め、3-2で逃げ切り勝ち。
オリックスが連敗を2で止め、山本は両リーグトップを快走する今季15勝目。自身の連勝を「12」まで伸ばした。
「西浦の最後のシーズン、優勝で終われるように…」
試合後のお立ち台には宗と山本が登場。
宗は先制弾について「やった!入った!って思いました」と正直な気持ちを吐露して笑いを誘いつつ、24日に現役引退を発表した 西浦颯大の名前を挙げ、「彼の分も最後まで戦って優勝したい」と胸に秘めた熱い想いを口にする。
山本も同じように、「宗さんも言っていましたが、西浦が現役最後のシーズンになってしまうので、優勝で終われるように精いっぱい頑張ろうと思います」と、後輩の想いを背負って、一丸で残る22試合を戦っていく決意を述べた。
中嶋聡監督は試合後、開口一番に「疲れる試合でした」と正直なコメント。
先発の山本に関しては「最後ちょっとバテた感がありましたけど、よく投げてくれました」と8回120球の力投を讃えつつ、先制弾の宗にも「由伸の時に先に1点を取るというのは非常に大きい。勢いを付ける良いホームラン」と、エースを援護する一撃を称賛。
また、同点の危機をしのいだ8回の守備についても、「ビッグプレーだった」と見事なカットプレーを試合のポイントとして振り返った。
これで今カードの星は1勝1敗の五分に。勝ち越しがかかる26日の試合、楽天は田中将大が先発予定となっている。
指揮官も「良い投手なので、1点でも多く取りに行きたい」と、気を引き締めて勝負の3戦目を見据えた。
この日は首位・ロッテも勝ったため、ゲーム差は「2.5」で変わらず。オリックスの負けられない戦いは、まだまだ続く。
取材・文=どら増田