2021.09.28 17:30 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 4 | 終了 | 0 | 横浜DeNAベイスターズ |
神宮 |
復活の2018年新人王左腕
左肘内側靭帯損傷のため2020年2月20日にトミージョン手術を受け、昨シーズンはリハビリに費やしたDeNAの東克樹投手が27日、翌28日に行われるヤクルト戦で遂に一軍復帰を果たす。
7月11日、平塚球場で行われたファームでのロッテ戦で668日ぶりの復帰マウンドを踏み、2回無失点4奪三振と好投。その後も7試合に先発し3勝無敗、防御率1.95と、さすがの成績を残し、奪三振数はイニング数を超える33個をマークしている。直近は20日に先発し、7回1/3を投げて103球、最多投球数で勝利投手となり、満を持して一軍復帰のマウンドに上がる。
やっと帰ってきた一軍に「素晴らしい場所。ここでやってこそのプロ野球選手なので、すごい嬉しい。やってやるぞという気持ちが湧いてきました」との思いを口にし、「約2年間やってきたことを結果として出せたら一番いい」と、意気込んだ。
手術についても「自分にとっては必要だった。大学を卒業して入ってきて身体のこととか勉強不足だった。身体の仕組み、使い方など、投球につながる勉強ができた」と振り返り、「筋量は5〜6キロ上がって、体脂肪は減った。地道なトレーニングを続けたことで数値にも表れて、やってきたかいがあった」とプラスに捉えている。
その結果として、「下半身の安定感が一番感じるところ」と、手応えも。さらに、「ストレートで空振りが取れる、スピード以上にスピンの効いた質の良いストレートの理想に近づいている段階。まだ伸びしろがある」と、さらなる成長も見据えた。
リハビリ中は「(田中)健二朗さんの姿が大きかった。進捗状況やコンディション、色々話せて救いになった」と、一足先にトミージョン手術を経験していた先輩左腕の存在に感謝。また、「選手のことを思って助けてくれる裏方さんがいることを実感しました。結果で恩返したいと強く思いました」と、言葉に力を込めた。
木塚投手コーチも「ブルペンでしか確認していないが」と前置きした上で、「東らしく両コーナーに投げられていた。(故障前と)遜色ないボール」と期待を込めた。
チームは決していい状況ではないが「チームが連敗している中で僕がカード初戦を迎えるにあたって、この1週間の流れを決める大事な試合になる。チームに勢いをつけられるように、全力投球で投げていきたい」と宣言。手術前より「パワーアップして帰ってくるのが目標」と掲げた東克樹の、ブランニューされたピッチングに注目だ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)