2021.09.28 17:30 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 4 | 終了 | 0 | 横浜DeNAベイスターズ |
神宮 |
球団最年長グランドスラム
勝利を呼び込む白球が、レフトスタンドへ吸い込まれた。5回、ヤクルトは無死満塁のチャンスで2番の青木宣親。カウント1ストライクからDeNAの先発・東克樹のカットボールを逆方向へ運ぶグランドスラムを放ち、チームを9連勝に導いた。
「とにかくヒットを打つことを考えた。風の力もかりてという感じ」という背番号23は、笑顔でホームベースを踏んだ。
これが、2004年の古田敦也氏の38歳5カ月を抜く、39歳8カ月での満塁弾。球団最年長記録を更新した。
来季は40歳を迎えるが「体のチェックをしながら、足りないところを補う」という青木。山田や村上といったチームを代表する選手に混じっても、その存在感は際立つ。
「奥川がこれだけ頑張ってチャンスも広げてくれて何としてでも援護したかった。最高の形になって良かったです」
チャンスを拡大させたのは、9番の奥川恭伸。一死一・二塁の場面でバントの構えから一転バスターで左安打を放ち、青木の決勝弾を呼び込んだ。
自らのバットで勝利を手繰り寄せた奥川は今季8勝目。「今日は調子は良くなかったですが、緩急を意識して中村さんが良いリードをしてくれて、野手の方に点を取っていただき助けてもらいました。悪いなりに何とか6イニング投げることができました」と振り返った。
優勝を争う阪神と巨人が共に敗れ、阪神とは1ゲーム差、巨人とは5ゲーム差となった。
2015年以来、6年ぶりのリーグ優勝が見えている中でも青木は「目の前の試合をこなしていく」ことを強調。挑戦者という意識を変えることはない。
ベテランと若手が一枚岩になったスワローズが、チーム全員で頂点へ駆け上がる。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)