◆ 球団史上初「13戦無敗」「4戦連続無失点」
セ・リーグ首位のヤクルトが球団新記録の13試合連続負けなしで10年ぶりの9連勝。上位を争うライバルたちがともに敗れたため、2位阪神とのゲーム差を「1」、3位巨人との差を「5」に広げた。
ヤクルトはトミージョン手術から復帰したDeNAの左腕・東克樹の前に4回までゼロに抑え込まれていたものの、5回一死一・二塁の好機で、先発投手の9番・奥川恭伸がバントの構えから一転バスターに切り替え左安打を放ちチャンス拡大。二死後に2番・青木宣親が左翼席へ先制の満塁ホームランを放ち、これが決勝打となった。
投げては先発の奥川は6回無失点の好投で、8試合連続のクオリティースタート(QS=6回以上自責点3以下)をマークし、7月1日・阪神戦から続く無四球ピッチングも7試合連続に更新。チームトップの小川泰弘と並ぶ今季8勝目(3敗)を手にした。
28日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた高木豊さんは、先制点を呼び込んだ奥川の打席での強硬策を試合の分岐点の一つとして紹介し、「苦肉の策だったと思う。ここまで25打数1安打なので普通サインは出せないんだけど、出したらこれがまた成功しちゃうんですよ。ここらへんがチームの勢いというか、ノリというものを感じさせてくれる場面でしたよね。びっくりしましたよ」とコメント。
また、青木の満塁ホームランについては、直前の第2打席で11球粘るなか相手先発・東の全球種を目にしていることにも言及し、「狙いは『流し』と決めていたと思う。でもこれは神様でしょ。あそこまでなかなか飛ばないですよ」と驚きを隠せない様子。連勝街道を突き進むヤクルトの勢いに「もう凄いですよ、このノリは」と、お手上げ状態だった。
さらに、高木さんは「バッティングばかり目立ちますけど、守備もしっかりしたことをやっている」と堅い試合運びにも言及し、7回の先頭・宮﨑敏郎の打球を遊撃手・西浦直亨がスライディングキャッチした場面と、9回先頭・楠本泰史の大飛球を途中出場の左翼・山崎晃大朗が好捕したシーンに注目。
「先頭打者を出すと嫌な雰囲気になってくるけど、こうやって切ってくれる。山崎もフェンスいっぱいで捕ってくれるんですよ。チーム全体が一丸となっているなという雰囲気を感じさせてくれる守備でしたよね」と、ディフェンス面の充実ぶりも称賛した。
球団史上初となる4試合連続無失点で連勝を伸ばしたヤクルト。早ければ30日にも優勝マジック18が点灯する。