谷繁さんは佐藤輝明の奮起にも期待
首位・阪神が勝負の10月を連勝発進。
2日の中日戦では、初回にジェフリー・マルテが先制3ランを叩き込むと、先発した髙橋遥人が自身2試合連続となる完封勝利。3-0で快勝した。
この日も存在感が光ったのが虎の1・2番コンビ。セ・リーグの最多安打レースでトップを快走する近本光司はこの試合でも安打を記録して5戦連続安打。打率を.314まで上げている。
さらに、好調・近本の後ろを打つドラフト6位ルーキーの中野拓夢は、1年目から打率.274とプロの壁を感じさせぬ数字を残しており、2日の試合でも2安打・2盗塁と躍動。
セ・リーグの盗塁ランキングは26盗塁の中野がトップで、23盗塁の近本が2位と、虎の上位打線がこの勝負所に来て日に日に存在感を増しているのだ。
2日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した谷繁氏も、「近本と中野で相手にかなりプレッシャーをかけることができている」と語り、「このまま行くと盗塁王というのも近づいてきますよね」と、ルーキーイヤーでのタイトル獲得にも期待を寄せる。
また、現役時代に盗塁王の獲得経験を持ち、通算321盗塁を記録した高木豊氏も、「ルーキーでこれだけ走れるというのは、技術的にも卓越したものがあるということ」とその走力を高く評価。
「それと、近本という良い見本がいますよね。素晴らしいランナーだと思いますので、取り入れながらね」と、すぐ目の前に“生きたお手本”がいることも強調しつつ、「近本とダブル受賞というのもあるかもしれない。でも、中野が盗塁王を獲ったら、新人王も分からなくなってきますよね。そこに優勝でも付けばさらに…」と付け加え、こちらも今後の上積みに期待を膨らませている。
ただし、リードオフマンが元気な一方で、谷繁氏は「今日も中野が盗塁を決めた後もそうでしたが、4点目というのが取れていないんですよね」と、初回の3得点で終わってしまった点についても言及。
今後の優勝争いに向けては、「投手には髙橋遥人という救世主が現れました。打者もマルテや大山悠輔が打っていますが、もう一人、僕は佐藤輝明を挙げたい」と、中野とは対照的に後半戦で苦しんでいるドラ1ルーキーをキーマンに指名。
「佐藤が打てば、長いトンネルを抜けた時には、阪神がグッと浮上してくるんじゃないですかね」とまとめ、上位が元気なうちに塁上を掃除するポイントゲッターの覚醒を優勝のカギに挙げた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』