9月は4戦4勝、防御率0.90の圧巻投球
9月度の『大樹生命月間MVP賞』が6日に発表され、パ・リーグの投手部門はオリックスの山本由伸が3カ月連続で受賞した。
9月は4戦4勝の負けなし。防御率は「0.90」という圧巻の成績を残した山本は、「良い状態をキープできているので、すごく嬉しい。毎試合最小失点でいけているので、試合も勝ててますし、いい感じだと思う。調子の波がないようにするのは、自分の中でもひとつテーマとしてあった。連続して獲れているのは嬉しい」と、連続受賞を素直に喜んだ。
さらに、 「試合数もどんどん重なって、経験する中での成長もひとつだと思うんですけど、心掛けるところが定まってきた。そういうのは多少あると思う。試合に入って、立ちあがりはちょっと調子が悪くても、なるべく早く気づいて立て直すことができるようになった。去年だったら、それが4失点とか5失点というピッチングになるところを、より早く気づけるようになった」と続け、自身の成長を口にした。
また、好調を維持している要因のひとつに、選手兼任投手コーチとして今季からチームに加入した能見篤史からの的確なアドバイスを挙げた。
「試合前にフォームのことなどを見てくれて、ひと言、的確なアドバイスをくれたりする。ブルペンで力んでるときは、“力むなよ”じゃなく、“落ち着いて”みたいに、少し遠回しにアドバイスをくれる。試合中は能見さんがブルペンにいるので、調子が悪いときは“どうですかね?”と聞いたりする。自然と始まったんですけど、すごく的確だし、すごく助かったので、最近は僕から求めている」。
事の発端は何気ない会話からだった。「結果は良かったけどバラつきがあったとき、能見さんと話をしていて、“試合前から○○やったもんな”と言われ、“それ試合前に言ってくださいよ”というところから始まった(笑)。言うと気にするからと思って言わなかったらしいんですけど、そんな形で始まった」と経緯を説明。その後は「毎試合、僕がちょくちょく聞いている」とのこと。問題点を早期に発見する上でも「外から見ている方のアドバイスはすごく助かる」と感謝した。
最近では登板日に他球団のエースクラスと当たらないことも増えており、かつてのダルビッシュ有や、田中将大の域に入ってきている感もある。チームを優勝を果たすまで、この勢いは止まりそうにない。
取材・文=どら増田