172勝右腕が、その右腕で当たりくじをゲット
2021年のプロ野球ドラフト会議が11日に行われ、DeNAは市立和歌山高校の小園健太投手を1位指名。阪神との競合になったが、三浦大輔監督が見事に当たりくじを引き当て、高校No.1ピッチャーとの呼び声高い右腕の交渉権を獲得した。
三浦監督は「良かったです!」と声を弾ませつつ、大役に緊張して「震えていた」ことを告白。「手に触れた瞬間の方の封筒を取ろう」と決め、前日から宣言していた通り右手で当たりくじを引き引き当てた。その小園に関しては、「高校生ではずば抜けた能力。どんな投手になるのか楽しみ」と語り、「一緒にベイスターズを強くしていきましょう! ヨ・ロ・シ・ク お願いします」とラブコールを送った。
1巡目指名後の取材に応じた三浦監督は、「ランニングをして汗をかいて無心になるように走り、近くの神社でお祈りして願掛けしました。スカウトがこの1年、この日に掛ける思いが叶いますように」と、普段はしない験担ぎを行ったことも明かし、「強いストレート、マウンドでの投げっぷり、強気で攻めていく姿勢。オーラが出ていて将来性がある」と、高校屈指の右腕をベタ褒め。
将来的には「チームを引っ張っていける先発として、エースとして、階段を上ってもらえたら。横浜DeNAベイスターズの小園というスタイルを貫いてほしい」と、プロでのサクセスロードに期待を寄せた。
三原代表も「100点」と満点評価
また、三原一晃専務取締役球団代表も「三浦監督が引き当ててくれたおかげで、思い通りのドラフトができた。結果的に高校生と大学生のNo.1投手を2名獲得することができた。野手陣に関しても評価の高い選手を取れ、バランスよく獲得できた」と喜び、点数も「100点でいいのではないでしょうか」と、満点評価を与えた。
「スカウト会議でもずば抜けて高い評価」だったという小園に関しては「競合覚悟」で指名に踏み切ったことを明かし、「完成された投手で、コントロール、変化球、真っ直ぐの力もある。比較的早く横浜スタジアムで活躍してくれるのでは」と笑顔を見せた。
近年の一本釣りから一転、競合覚悟で挑んだドラフトに成功したDeNA。1年目は苦しんだ三浦監督だったが、新たな戦力とともに迎える新シーズンでは、おり多くの歓喜の瞬間をファンに届けてもらいたいところだ。
▼ 小園健太(こぞの・けんた)
生年月日:1999年9月12日(22歳)
投/打 :右投げ/右打ち
守備位置:投手
スカウト評:高校生離れした投球術、コントロールが魅力な投手。変化球の質も一級品。完成度も高く、将来性十分な世代NO.1の投手の1人。
▼ DeNAの指名選手一覧
1位 小園健太(投手/市和歌山高)
2位 徳山壮磨(投手/早稲田大)
3位 粟飯原龍之介(内野手/東京学館高)
4位 三浦銀二(投手/法政大)
5位 深沢鳳介(投手/専大松戸高)
6位 梶原昂希(外野手/神奈川大)
<育成枠>
1位 村川 凪(外/徳島インディゴソックス)
2位 東出直也(捕/小松大谷高)
3位 大橋武尊(外/茨城アストロプラネッツ)
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)