サプライズで三浦監督が登場
DeNAは12日、前日のドラフト会議で1位指名した小園健太投手(市和歌山高)への指名挨拶を行った。
指名挨拶には、進藤編成部長、河原スカウティングディレクター、安部スカウトが訪れ、挨拶後の会見ではオンラインながら三浦大輔監督がサプライズで登場。「昨日のドラフトのご縁で、ぜひ横浜DeNAベイスターズに入団してユニフォームを着て、共に戦って行きましょう!一日も早く会える日を楽しみにしています」と呼びかけた。
小園はサプライズに動揺したのか、緊張の面持ちながら「テレビで見ていたときは怖そうな感じだったけど、話しをしてみて優しそうだなと思った。(リーゼントも)かっこいいと思います」と話し、報道陣の笑いを誘うなど、随所に大物感を漂わせた。
三浦監督は、「力のあるストレートで三振がとれて、その中でキレのある変化球が操れている。高校生ではずば抜けた投手。スカウトの方たちの評価も高く、全員一致で1位で行こうとなった」と、あらためて指名理由を語り、「一日でも早くチームに合流して、ベイスターズを背負って、リーグ、日本を代表する選手に育って欲しい」と期待を寄せた。
DeNAの印象については、「投手力が高いチーム。自分もピッチャーとしてもっと成長できる球団だと思う」とコメントし、「チームを背負えるようなエースになりたい」との決意も口にした。
ドラフト終了後には、自身共に高校BIG3と称された、風間球打(ノースアジア大明桜高→ソフトバンク1位)、森木大智(高知高→阪神1位)の両投手と、LIENで「おめでとう」とメッセージを送り合ったとのこと。森木とは同じセ・リーグということもあり、「対戦したい。投げ合えたら絶対に勝ちたい」と、早くもライバル心を燃やしていた。
指揮官からの金言も
小園は横浜を訪れたことはなく、「和歌山と違って都会だと思うので、人に酔わないようにしたいと思います」と戸惑いも見せたが、三浦監督は「全国からの出身者が集まっているので、住めば都じゃないですけど、スタッフ、コーチ、選手とみんな優しいので、遠慮なく話してもらえたら。馴染みやすいチームだと思うので、横浜の空気に慣れて」と、奈良から横浜へ出てきた自身の経験を踏まえアドバイス。
また、「一日でも早く一軍で、横浜スタジアムで投げるんだという気持ちを持って、これから壁にぶつかったりするだろうけど、ドラフトが決まったときの気持ち、周りの応援してくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れなければ大丈夫」との金言も送り、小園も「周りの方々への感謝は思っています。これからも感謝の気持をを忘れずにやっていきたいと思います」と、胸に刻んだ。
ドラフトでは即戦力投手を指名することが多かったDeNAにとって、高校生の1位指名は2011年の北方悠誠以来となる。超高校級投手となると、ほぼ初めてとなる異例の指名。金の卵がどのような成長曲線を描いていくのか、横浜の街は、早くも盛り上がりを見せている。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)