2021.10.12 18:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 2 | 終了 | 2 | 千葉ロッテマリーンズ |
京セラD大阪 |
2併殺後劇的弾
パ・リーグの首位・オリックスと2位ロッテによる最後の直接対決“首位攻防3連戦”の初戦が12日、京セラドーム大阪で行われ、試合は2-2の引き分けという結果に終わった。
この3連戦の結果次第で両チームのどちらかにマジックが点灯する“天王山”。オリックスの田嶋大樹と、ロッテの小島和哉の同級生左腕対決は4回、レアードに26号ソロが飛び出してロッテが先制する展開に。さらに6回表には、荻野貴司に三塁打を許し、続く中村奨吾の適時打で2点目を奪われてしまう。
それでも粘り強いピッチングを披露した田嶋は、8回を被安打8ながらも、107球、7奪三振、無四球、2失点と試合を作ることには成功。先に点を与えたことを反省しつつ、「8回まで投げることができたし、なんとか最少失点で粘れたところは収穫」と自身の投球を振り返った。
一方のオリックス打線は、1回から3回まで毎回先頭打者を出塁させたものの、宗佑磨が2度の併殺で好機を逸する苦しい展開。しかし、8回一死から太田椋がレフト前に運ぶと、二死一塁から宗佑磨が「1、2打席目のチャンスで凡退して、すごい悔しかったですし、2点負けてますから思い切っていくしかないと、開き直って腹決めていきました」と振り切った打球が右翼スタンドに飛び込む8号2ランとなって試合を振り出しに戻した。
グランドを一周してベンチに戻った宗は、それまでの悔しさがこみ上げ、涙を流す場面も。最終回は平野佳寿と益田直也の両クローザーがそれぞれ無失点に抑え、試合は引き分けという結果に終わった。価値あるドローとなったオリックスは、明日の試合に勝利すると、優勝へのマジックナンバー「7」が点灯する。
試合後、中嶋聡監督は「よく追いついた。自分が悔しい思いをして、そこをよく取り返したと思う」と、同点弾の宗を称えると、先発した田嶋についても言及。「この時期は目の前の敵というか、どちらもいいピッチングをする。(田嶋は)良かった。どっちも点をやりたくないし、どっちも点を取りたいんですけど、なかなか援護できない。ただ、何とかやるしかない」と続け、粘投した左腕を労った。
最後に、指揮官は「きょうは完全にやられていたので、そこで追いついたのは非常に大きい。あと9試合しかないので、そこを何とか勝ち切れるように頑張っていきたい」と、明日の試合に向けて切り替えていたが、上の順位にいるオリックスにとって、この引き分けは勝ちに等しいと言っていいだろう。
叶うべき夢の先へ…光が射す寸前まで来ている。
取材・文=どら増田