原の粘りと中村の頭脳
セ・リーグ首位を走るヤクルトは、14日の中日戦で1-1のドロー。
2回に一発で先制点を挙げて以降、なかなか追加点を挙げられずに勝ちきることはできなかったが、粘った甲斐あってマジックはひとつ減り「7」となった。
ヤクルトの先発は、このところ安定感抜群の投球が光る6年目・28歳右腕の原樹理。
この試合でもストレートとシュート、そして対になるスライダー、カットボールを駆使して中日打線を翻弄。
6回まで散発の4安打、三塁を踏ませぬ好投でスコアボードにゼロを並べていく。
ところが7回、一死から高橋周平を安打で出すと、続くアリエル・マルティネスの三塁へのゴロを村上宗隆がファンブル。併殺でチェンジのはずが一塁走者が二塁に進み、二死二塁で中日の攻撃が継続となってしまう。
すると、桂依央利に前進守備の右中間後方へ大飛球を打たれ、これが同点の適時三塁打に。それでも、残ったピンチは髙松渡を149キロ速球で空振り三振に打ち取り、7回を投げて1失点と試合を作った。
14日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した斎藤雅樹氏は、「7回1失点ということで、先発としてはナイスピッチング」としつつ、「逆球だったり、変化球が高かったり、見ていて状態はそんなに良いわけではなかったと思う」と、この日の原の投球を分析する。
そんな中でも、「いろいろな球を駆使して粘り強く投げていましたよね。球を動かしながら打たせて取っていたなと」と右腕の特徴がよく出ていた点を強調し、良くない中でも役割を全うする力投を讃えた。
また、同じく番組に出演した谷繁元信氏も、「左右の揺さぶりですよね。特に右打者にはインサイドのシュートがかなり有効だったと思います」とコメント。
加えて、原をリードした捕手・中村悠平にも注目しつつ、「中村には基本的なものはある。そこから枝葉が付いてきたというか、アレンジ力というか。引き出しが増えてきたなと感じる」と、捕手としての成長ぶりに言及した。
首位を走るチームを影で支える扇の要。名捕手の谷繁氏に「『おっ!』というような配球が増えた」と言わしめる、中村悠平のインサイドワークからも目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』