1年目から守護神としてフル回転
4位・広島が3位・巨人との直接対決を制し、6連勝の後、1敗を挟んで2連勝と好調をキープ。
3位・巨人との差は「3」まで縮まり、大逆転のクライマックスシリーズ進出も夢ではなくなってきた。
初回から宇草孔基に先頭打者アーチが飛び出すなど、広島が3回までに7点をリードする展開。
6回にも1点を加え、楽勝ムードも漂っていた中、7回に先発の森下暢仁がつかまると、森浦大輔も流れを止められず、一気に5点を奪われてたちまち3点差に。
9回裏は守護神の栗林良吏をマウンドに送って必勝態勢のはずがこちらもピリッとせず、ゼラス・ウィーラーの2点適時二塁打で8-7と1点差…。なおも二死二塁というピンチだったが、最後は中田翔を空振り三振に斬ってなんとか逃げ切った。
16日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した高木豊氏は、「栗林を1年間見てきて…」と心配の声をあげた。
この日の投球について、「きょうは四球を2つ出した。逆球も多いし、キレがないんですよ。フォークもファウルにされて粘られる」と苦しい姿を振り返り、「相当な疲れと、精神的な疲労が来ていますね」と解説する。
プロ1年目からクローザーとしてフル回転でここまで突っ走り、50試合の登板で34セーブ、防御率0.73という圧巻の成績。加えて夏場には侍ジャパンの一員として東京五輪を戦い、日の丸を背負っても重圧のかかる最終回を任されて金メダル獲得に大きく貢献した。
「あとちょっととはいえ、そのちょっとが故障につながらなければいいなと僕は感じました」と高木豊氏。
思えば16日の試合中にも、利き腕とは逆の左肩を気にする仕草を見せ、ベンチからトレーナーが駆け寄るという一幕もあった。
今季も残り8試合とはいえ、逆転CSに向けては負けられない戦いが続くとなれば、栗林の力は必要不可欠。守護神の身体は無事なのかどうか、続報が待たれる。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』