優勝に望みをつなぐ快投
阪神は先発の伊藤将司が、7回4安打無失点の快投で9勝目(7敗)。
阪神は4回裏、この回の先頭・佐藤輝明が左中間を破る二塁打を放つと、打球を処理した右翼手・鈴木誠也がボールをファンブルし、一気に三塁へ。すると、続く坂本誠志郎がセンターへの犠飛を放って阪神が先制した。
投げては先発のルーキー左腕・伊藤将司が4回まで一人の走者も許さないパーフェクトピッチを披露。7回を90球、被安打4の与四球0で無失点に抑えると、打線がその裏、糸原健斗とロハス・ジュニアの連打で無死一、二塁とし、代打の島田海吏はバントができずに追い込まれて三振に倒れるが、続く坂本がヒットでつないで一死満塁と好機は拡大する。
ここで伊藤将に代打・糸井嘉男が送られ、糸井のレフトへの犠飛で阪神に待望の追加点が生まれた。その後は、8回に登板した岩崎優が1点を失うも、板山祐太郎の好守にも助けられてピンチを凌ぐと、9回をスアレスが三者凡退で締めて試合終了。7回0封と好投した伊藤将が9勝目を挙げ、新人での2ケタ勝利に王手をかけた。
18日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した笘篠賢治さんは伊藤について「優勝争いしている痺れる状況の中でここまで投げてくれた」とルーキーの力投を労い、「広島はここにきて攻撃力が上がり、足も使ってくることが増えていて状態が良い。こういう打線を相手に四球を出さなかったのは立派」と勢いのある相手にも動じない新人離れしたピッチングを称賛した。
同じく解説を務めた谷沢健一さんは「序盤のピッチングを見ると、低めのチェンジアップ、ツーシーム、非常に丁寧で制球力が高まってきた」と語り、「5回にボールが高めに浮いてピンチを迎えたところで、どう修正するかと見ていたら、その修正力も備わってきたかなというピッチングだった」と5回に連打を浴びて一死1、2塁の場面で後続をきっちり打ち取った投球内容を評価した。
伊藤将は球団の新人左腕としては1967年の江夏豊さんが12勝を挙げて以来、54年ぶりの9勝目を記録。また、ルーキーとしては2013年の藤浪晋太郎(10勝6敗)以来となる2桁勝利にあと1勝と迫った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』