谷沢さんは「記録は抜かれるためにある」!
優勝マジックを「3」としているヤクルトだったが、21日の試合は終盤で広島打線につかまり7-11で逆転負け。
4回に一挙5点を奪う猛攻で主導権を握ったかに見えたが、7回に広島打線の猛攻にあって7失点。マジックを減らすことができなかった。
1-3で迎えた4回、広島先発・大瀬良大地から一死二・三塁のチャンスをつくると、投手・小川泰弘の打順を迎えたところで早くも代打の切り札・川端慎吾のコール。
ベンチが早々に勝負手を切ると、新・代打の神様がこれに応えるセンターへの安打。三塁走者を還して1点差となると、さらに二死満塁から山田哲人の適時打で3-3の同点に。
そしてなおも二死ながら満塁で、4番の村上宗隆が左中間突破の3点適時二塁打。主砲のひと振りで6-3と試合をひっくり返し、大瀬良をノックアウトした。
2位の阪神も粘って食らいついてくる中、自力で勝利を掴みに行きたいヤクルトの強い意志。それを如実に表していたのが、4回のチャンスでの「代打・川端」だろう。
この日の安打で今季の代打安打は30本に到達。これで真中満氏が持つ球団記録「31」に王手をかけただけでなく、この日は打点付の適時打だったということで、代打での打点も「18」となり、こちらは若松勉氏が持つ球団記録に並んだ。
21日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した真中満氏も、「ヤクルトは敗れましたけど、まず川端ですよね。本当に良いところで必ず仕事をしてくれる。職人ですね」と絶賛。
自身が持つ球団記録にリーチをかけられたことに関しては、「そうですね、正直同数くらいで終わってほしいですね」と笑ったが、「川端の存在はヤクルトにとって大きい」と語り、優勝争いのチームの中で頼れるベテランの貢献ぶりを讃えた。
また、同じく番組に出演した谷沢健一氏は、「真中さん、時間の問題だよ」とツッコミを入れつつ、川端の活躍については「30本を積み重ねていくこと。打点も含めてだけど、1試合1試合の準備ですよね」と、結果を出すまでの“過程”に注目。
「今日なんかは4回の代打で、その前から準備をしているということ。精神的な部分、モチベーションを上げるのは非常に難しいイニングだと思う」と、ふだんより早めの出番でも起用にきっちりと答えて見せた“準備力”を絶賛した。
谷沢氏が最後に「記録は抜かれるためにある」と言った通り、川端慎吾は球団史に自身の名を刻むことができるのか。
泣いても笑っても残りは5試合。チームの優勝争いとともに、川端の打席からも目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』