打のMVPは全員一致、投手は三者三様…
27日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では、前日に続いて6年ぶり8度目のリーグ優勝を決めたヤクルトを特集。
前回優勝時に監督としてチームを率いていた真中満さんと、現役時代は捕手としてヤクルト一筋だった大矢明彦さん、現役最終年をヤクルトで過ごした池田親興さんのOB解説者3名が、今季のヤクルトの投打のMVPをピックアップした。
企画の冒頭で真中さんは「残り3試合で優勝を決めましたけど、やっぱり強かった」と頂点まで駆け上がったヤクルトについて語り、「1番から下位打線まで得点が取れる打線。ピッチャーも先発・中継ぎ・抑えと非常にまとまった投手陣。高津監督も腰を据えて采配していたイメージ。投手交代も我慢して我慢して起用していた」と、古巣の戦いを振り返った。
投手陣のMVPについては三者三様。
大矢さんは交流戦からクローザーに定着し今季31セーブを記録したスコット・マクガフを投手MVPに挙げ、「石山でつまずいて、これはやっぱり元に戻っちゃうかなというところをマクガフがしっかり食い止めてずっと最後までこれた。これが大きかった」とコメント。セットアッパーとして開幕を迎えながら、救援陣の不安をカバーした助っ人右腕の働きを高く評価した。
一方、池田さんは「“MVP”になるのかどうかわからない」と前置きした上で、シーズン後半に主戦級の活躍を見せた高卒2年目右腕の奥川恭伸を推薦。後半戦は阪神戦で3度先発するなど上位相手に堂々たる投球を披露し、「すごく大事な働きをしたピッチャーだったと思いますね。貯金(9勝4敗)もつくりましたし、チームが苦しいときにベールを脱いだなと思う」と、登板毎に存在感を増した次世代エースを称えた。
元監督の真中さんは迷いながらも「あえて選ぶなら清水投手」と、2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得したセットアッパーを投手MVPに挙げた。今季の清水は年間試合数の半分を超える72試合に登板し、日本新記録のシーズン50ホールドをマーク。真中氏は「この前の記録保持者は浅尾投手。あのピッチャーを清水が超えるのか?というそれくらいの成績でしたから」と、フル回転した右腕に賛辞を送っていた。
打者のMVPについては、4番打者としてチームを牽引した村上宗隆で全員一致。大矢さんは「年々凄さを増す」と打撃面での成長に言及し、池田さんは「チームを代表する、プロ野球を代表するバッターで、なおかつチームを鼓舞し引っ張っていける」と、打席以外での姿勢も評価。「やっぱり“見たい”選手ですよね。なんかやってくれるなと、どんどん成長しているのが凄い」と、末恐ろしいツバメの主砲に感嘆の声を漏らしていた。
真中さんも同様に打撃成績以上にプレー以外の姿勢を評価しており、「4年目の選手は自分のことで精一杯なんですが、ベンチでの雰囲気。打てないときでも先頭を切って元気を出して頑張っている姿を見ると、勇気付くといいますか。良いときはみんな良いんですけど、悪いときも前向きにプレーしている。本当にMVPですよね。チームを引っ張りました」と、チームを牽引し続けた村上の働きを絶賛していた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』