球団史上最長の6年契約
今シーズン途中にFA権を取得し、去就が注目されていたDeNAの宮﨑敏郎選手(32)が29日、球団事務所で会見を開き、FA権を行使せずに残留することを表明。三浦大輔監督の選手時代と同じく、球団史上最長の6年契約を交わしたことを明らかにした。
宮﨑は「この度、FA権を行使ぜずに横浜DeNAベイスターズに残留することになりました」と晴れ晴れした表情で第一声。さらに、「横浜DeNAベイスターズが好きですし、熱狂的な熱いファンの皆さまの前でプレーできるのはすごい嬉しい。やっぱりファンの皆さまと一緒に、勝って喜びを分かち合いたいのが一番です」と続け、ファンの存在が残留の決め手となったことを明かした。
今年6月に権利を取得してから、球団とは話し合いを続けてきた。そして、ホーム最終戦の後に残留を決意し、28日に「このチームで、横浜DeNAベイスターズで優勝したい」と球団に報告。宮﨑は「最後にグラウンドを1周したときに、これだけのファンの方々が球場に足を運んでくださって、声は出せないですけど選手に熱い気持ちは届いている。やっぱりそこで恩返しというか、僕たちも勝たなきゃいけないんだという気持ちになりました」と、決意を固めた夜を振り返った。
契約満了時には38歳となる6年の長期契約提示には「自分でもびっくりしましたし、まさかと思いましたが、反面必要とされているんだという気持ちにもなりました。凄いありがたかったですし、やらなきゃいけないという気持ちになりました。三原代表や三浦監督からの『残って欲しい。一緒に戦おう』という言葉も心に響きました」と笑顔で交渉を振り返り、“生涯横浜”の質問には「ハイッ!」と迷いなく答えた。
個人的には「毎年安定した数字を出せるようにしたい。意識している3割をまた来年も打てるように」との目標を掲げ、「チームの勝利に1試合でも貢献して、それが重なれば結果として出てくる。自分がひとつのピースになれれば」と、チームを勝利に導く決意も口にした。
2017年には打率.323で首位打者になるなど、3割超えは今年で4回目。2ケタ本塁打は6年連続をマークしている。今シーズンの打点73は自身最高と、成長し続ける稀代のヒットメーカーは「良いときも悪いときも、最後まで諦めず声援をいただいてありがたく思っている。自分自身もそうですけど、チームも力に変えて毎日戦って、少しでも上のステージに行けるように頑張っていきたい」と、ファンに約束した。
三浦監督同様、ファンの思いを汲み取って残留した“ハマのプーさん”は、悲願の優勝をファンに届けるために、来年以降もヒットを量産し続ける。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)