5回終了後、青木から花束を受け取るヤクルト・雄平 (C)Kyodo News

◆ 通算882本目の安打

 6年ぶりのリーグ優勝を達成したヤクルトが1日、本拠地の神宮球場に凱旋。広島を相手に今季最終戦を終えた。

 試合には7-9で敗れたが、戦いは続いていく。ヤクルトは10日から6年ぶりの日本シリーズ出場を目指し、CSファイナルステージに臨む。

 この日はヤクルト一筋19年目のベテラン・雄平の引退試合。5回終了後には大型ビジョンで入団時からの足跡がVTRで流れ、6回の守備から慣れ親しんだ神宮のライトのポジションへ。背番号41は大きな拍手を浴びた。

 7回は先頭打者として打席に立つと、広島の森浦が投じた4球目を鮮やかにレフトへ弾き返し、今季初安打をマーク。通算882本目の安打を刻み、試合後、雄平はこう振り返った。

「最高ですね。良いプレーをするために一生懸命やってきた。最後にご褒美をいただきました」。

 最後の打席となった8回は必死でボールに食らいつき粘りを見せた。結果は二塁ゴロだったが、最後まで全力でプレーした証だった。

 投手として入団して通算18勝をマークした雄平は、2009年オフに野手へと転向。プロで投手と野手の両方を経験し、「最高の経験」と口にしたことがあった。

 試合後にチームメイトに胴上げされ、最後は花道で送り出された。野球を愛し、チームメイトとファンに愛された男は、19年間の思いを胸に神宮を去っていった。

取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)

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