ニュース 2021.11.02. 17:16

故障に泣いた現役生活も…勝負所で価値ある一打が多かったロッテ・高濱卓也

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現役引退を決断したロッテ・高濱卓也(C) Kyodo News
 「ここまでマリーンズには期待をしていただき、育成としてもお世話になり再び支配下に戻してもらって期待もかけてもらいましたが、その期待に応えることが出来なかった事を非常に残念に思います」。

 ロッテの高濱卓也は今季限りで現役引退することを決断した。

2016年に一軍で存在感


 高濱は2011年に国内FA権を行使して阪神へ移籍した小林宏之の人的補償選手としてロッテに入団した。14年にイースタンで打率.355をマークし首位打者に輝いた高濱が、一軍で存在感を示したのは移籍6年目の2016年。

 「振るというよりは当てにいくことが多かった。毎年それで結果がでなかったので、今年(2016年)は何かを変えなきゃいけないなということで、しっかり振るようにしました」。

 3月25日の日本ハムとの開幕戦に『2番・三塁』でスタメン出場を果たすと、4月15日の日本ハム戦でプロ初本塁打を放った。同年行われた古巣・阪神との交流戦では、6月8日の試合で2安打を放つと、翌9日には本塁打を含むマルチ安打の活躍で勝利に貢献し、お立ち台にも上がった。

 交流戦期間中、主に2番打者としてスタメン出場するなど、同年シーズン自己最多の53試合に出場し、打率.215、3本塁打、13打点の成績を残した。背番号を『00』から『32』に変更し、さらなる活躍が期待された17年は開幕からファームで過ごし、シーズン最終盤に昇格するも28試合の出場にとどまった。


腐ることなくファームでバットを振った2018年


 「ここにいる現状が納得というか、自分にもどかしいし、自分の中ではキャンプからアピールして、オープン戦、開幕という流れで入っていきたかったんですけど、悔しさの方が今は大きい」(18年8月7日取材)。

 2018年はファームで7月に打率.383(47-18)、8月は打率.404(57-23)と高い打率を残すも、同年は一塁・井上晴哉、二塁・中村奨吾、三塁・鈴木大地(現楽天)、遊撃・藤岡裕大と内野陣のレギュラーが固定され、内野の控えにも全ポジションを守れる三木亮、当時3年目だった平沢大河も内外野で出場するなど、高濱に出番が巡ってこなかった。

 それでも、高濱は「もっともっと良くならないと、一軍に呼ばれないと思うし、もっともっとやるだけだと思っています」と、腐ることなく真夏のロッテ浦和球場で汗を流している姿が印象的だった。打撃練習ではこねる癖があったため、レフト方向に打つことを意識し、明確な意図を持って取り組んだ。

 この年もシーズン最終盤に昇格を果たす。鋭い当たりを放つも安打が出なかったが、9月19日のソフトバンク戦の8回無死一塁から代打で登場すると、1ストライクから加治屋蓮が投じた146キロのストレートをライト前に弾き返し、このシーズンの5打席目で初安打を放った。


2019年は代打で存在感を示すも


 翌19年は2月1日に行われた紅白戦で、12球団一番乗りとなる実戦初本塁打を放つと、2月9日の台湾・ラミゴ戦(現楽天モンキーズ)では本塁打を含む3安打の大暴れ。2月27日に行われた楽天との練習試合では満塁本塁打を放つなど、オープン戦が始まってからも3月2日の中日戦で1安打2打点、6日の日本ハム戦で1打数1安打と結果を残していたが、オープン戦の中盤以降は当たりが止まり、開幕は二軍スタート。

 ファームで打率.315をマークし、5月8日に一軍昇格を果たすと、翌9日の西武戦、延長11回に代打で登場し値千金の勝ち越し適時打。6月18日の広島戦でも代打で2点適時二塁打と、代打で存在感を示した。

しかし、同年12月に「このままやっても痛みは出るし、痛いなりにやっていた。このままやっても一軍の戦力、野球をやることに対して思いっきりできないというのがあった。それだったら、良くなるかは分からないですけど、手術にかけてみようと思って手術をしました」と、『全内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術』を行い、2020年から育成選手契約となった。

育成選手となった2020年


 「そんなに時間がかかる手術ではなかったので、予定通り動いてあの感じでしたね」と20年1月7日のロッテ浦和球場の室内練習場では、リハビリしている姿があった。同年3月17日の巨人との二軍練習試合で実戦復帰。

 新型コロナウイルス感染拡大によりプロ野球のシーズン開幕が6月にずれ込み、開幕してから高濱のバットからなかなか快音が聞かれなかったが、夏場以降は右中間に強い打球が増えた。

 「自分のなかでは、腰がよくなったとか、急激に(打撃が)よくなったというのは特になくて、(20年)6月後半か7月の頭くらいに福浦さんのバットをもらって、それを使い始めてからちょっと感覚がよくなった。福浦さんのバットのバランスが自分にちょっと合っていたというのがあって、そのあたりから変わりました」と、10、11月にはファームで打率.364(22-8)をマークし、良い形でシーズンを終えた。


腰の不安がなくなるも再び…


 バットを変更した昨年の夏場以降は長打や安打も増え、今年も開幕してからファームで3.4月の月間打率が.382、5月も打率.281と結果を残し続け、5月31日に支配下選手復帰を果たした。6月1日に一軍昇格し、6月26日の日本ハム戦では支配下復帰後初安打を放った。

 6月にオンライン取材したときには、「今までより腰の負担がないということが、バットが思いきり振れている。今まではどうしても振って、腰が痛くなるんじゃないかとかを、思いながら練習をしていた。そこがちょっと変わったかなという感じですね」と明かしていた。

 腰の不安がなく打てるようになっていたなかで、8月にヘルニアを再発。球団を通じて高濱は「8月にヘルニアが再発してしまったこともあり、今年は厳しい日々となりました。それでもまた一軍の舞台に立ちたいという気持ちで頑張っていましたが今回、このように引退という形を取って区切りを打とうと思いました」と引退を決意した。

 「ファンの方にはいつまでも期待をかけてもらい、いつまでも応援してもらいながら、その期待に応えられなかったってことが本当に残念で仕方がありません」。

 「野球は引退しますが、ここからの第二の人生では、もっと頑張って行けたらと思います。怪我との闘いばかりで、成績は残していないんですが、野球はやり切りましたとファンの皆様には伝えたいです。マリーンズに来て11年。本当に熱い応援ありがとうございました」。

 球団を通じてこう感謝の言葉を述べた高濱。故障による離脱は多かったが、16年のヤクルト戦で放った走者一掃の逆転適時二塁打、古巣・阪神戦での一発、19年の西武戦で代打決勝打、さらには今季も甲子園で行われたエキシビションマッチで古巣・阪神戦で本塁打と、“記憶”に残る一打でファンを沸かせた。今季限りでユニホームを脱ぐことになったが、“勝負所”で放った一打はファンの心に残り続けるはずだ。

文=岩下雄太

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