2021.11.06 14:00 | ||||
阪神タイガース | 0 | 終了 | 4 | 読売ジャイアンツ |
甲子園 |
阪神が14年ぶりの勝ち越し
今年最後の伝統の一戦となる「2021 JERA クライマックスシリーズ セ」が6日14時に、いよいよ幕を開ける。
今季のセ・リーグを2位で終えた阪神と、3位に甘んじた巨人。両雄の今季を振り返ると、阪神が「13勝9敗3分け」で巨人相手に4つの貯金を作り、実に14年ぶりとなる勝ち越しを決めた。
ちなみに甲子園では6勝6敗1分けと五分だが、9月以降の対戦を見ると、9月と10月に行われた10試合は、阪神が6勝1敗3分けと圧倒。良いイメージを持ったままファーストステージを迎えることに成功した。
特に巨人にとって痛かったのが、阪神に連敗して迎えた9月5日の一戦だ。序盤に6点のリードを奪いながらミスも絡んで終盤に追いつかれ、連敗ストップに失敗。引き分けを挟んで6連敗となり、ここでヤクルトに並ばれて浮上することなく失速してしまった。
<阪神と巨人の対戦成績>
【神】 92得点 84失点/打率.237 防御率3.36
【巨】 84得点 94失点/打率.227 防御率3.50
【神】 189安打 22本塁打 77四死球 11盗塁
【巨】 181安打 28本塁打 67四死球 17盗塁
今季の“伝統の一戦”勝ち頭
阪神は7試合に先発した西勇輝が防御率4.19ながら3勝1敗と相性の良さを見せていたが、10月13日の巨人戦(東京D)で右肘の違和感を訴えて2回途中で降板。フェニックスリーグや練習試合で実戦復帰を果たしたが、ファーストステージでの登板は見送り、ファイナルでの登板を信じて万全を期す予定だ。
一方の巨人は、今季チームトップの11勝を挙げた左腕・髙橋優貴が5試合に先発して4勝0敗、防御率1.45と、好成績を残した。今回のファーストステージでも7日の第2戦に先発する見込み。髙橋は阪神の中軸(マルテ、大山、佐藤輝、糸原)を1割台以下に抑えており、10打席以上の対戦で2割台以上の打率を許しているのは、打率.375(8打数3安打)の梅野隆太郎と、打率.300(10打数)の中野拓夢、打率.250(16打数4安打)となっている。
<阪神と巨人の対勝ち頭>
【神】西 勇輝:7試合(38.2回)3勝1敗 防御率4.19
【巨】髙橋優貴:5試合(31回)4勝0敗 防御率1.45
帰ってきた男たち
巨人の髙橋が阪神相手に好相性を誇れば、阪神の左腕・髙橋遥人も巨人相手に好相性を誇っている。コンディション不良により今季の大部分を棒に振ったため、対戦自体は2試合と少ないものの、9月に復帰してからは安定したピッチングを披露し、左肘の違和感も懸念されていたが問題ない様子。実戦は半月ぶりとなるが、対巨人戦は16イニングに渡って無失点ということもあり、ファーストステージの開幕投手に抜擢された。
その高橋遥のピッチングについて巨人の坂本勇人は「今年対戦して一番すごいなと思った投手」と評価。「何とか1点を奪いたい」と語っていたが、その坂本が唯一、髙橋遥から複数安打を放ち、打率.333(6打数2安打)で2割以上の成績を残している。チーム全体で見ても、阪神戦で打率.308、5本塁打、8打点と活躍。10月16日に死球を受けた右前腕部の状態は気になるところだが、キャプテンの打棒にかかる期待は大きい。
坂本同様、故障明けとなるのが、阪神のリードオフマン・近本光司だ。坂本が対阪神で唯一の3割打者なら、近本は対巨人で唯一の3割打者。今季は打率.301、1本塁打、9打点という対戦成績で、矢野燿大監督も全幅の信頼を寄せている。間に合ったのは大きいが、状態は気になるところ。
<帰ってきた男たちの対戦成績>
【神】髙橋遥人:2試合(16回)1勝0敗 防御率0.00
【神】近本光司:25試合 打率.301(103-31)1本塁打 10打点 1盗塁
【巨】坂本勇人:22試合 打率.308( 78-24)5本塁打 8打点 0盗塁
気になる右の大砲は!?
状態という部分では、調子を落として登録抹消となっていたサンズも気になる存在だ。今季の前半戦でチームを牽引した優良助っ人は、直前の練習試合で本塁打を放つなどアピール。サンズ自身の状態はもちろん、ロハス・ジュニアの状態次第では入れ替えもあるのか。
一方、巨人にとって痛手なのが、4番・岡本和真のコンディション不良だ。チームには帯同しているものの、打撃練習を行っていないなど、初戦は欠場が濃厚。今季のチームを支えただけでなく、対阪神戦という部分でも、2割台前半の打率ながら、7本塁打で19打点と、抜群の得点力を誇っていただけに、痛すぎる欠場となりそうだ。
<間に合わなかった?両選手の対戦成績>
【神】サンズ :21試合 打率.171(70-12)4本塁打 12打点 0盗塁
【巨】岡本和真:25試合 打率.216(88-19)7本塁打 19打点 0盗塁
鍵を握るのは中軸!?
阪神の近本と中野、巨人の松原と坂本。両チームの上位打線が予想される両選手は、いずれも対巨人、対阪神相手の相性は悪くない。ある程度の出塁や機動力の面でも期待できそうなだけに、その後ろに控える主軸が鍵を握るかもしれない。阪神はマルテや大山悠輔、佐藤輝明らが復調すると、チームとしても勢いづくが…。対する巨人は、復調気配でシーズンを終えた丸佳浩に期待したいところ。
<機動力にも期待の両選手の対戦成績>
【神】中野拓夢:23試合 打率.273(77-21)0本塁打 5打点 2盗塁
【巨】松原聖弥:25試合 打率.277(83-23)3本塁打 9打点 4盗塁
<主軸候補の今季対戦成績>
【神】マルテ :25試合 打率.235(85-20)6本塁打 9打点 0盗塁
【神】糸原健斗:25試合 打率.233(90-21)1本塁打 7打点 2盗塁
【神】大山悠輔:19試合 打率.278(72-20)4本塁打 13打点 1盗塁
【神】佐藤輝明:24試合 打率.227(75-17)2本塁打 6打点 0盗塁
【巨】丸 佳浩:19試合 打率.214(70-15)2本塁打 6打点 1盗塁
【巨】ウィーラー:19試合 打率.259(71-29)3本塁打 5打点 0盗塁
【巨】中田 翔:10試合 打率.125(11-2)0本塁打 1打点 0盗塁
【巨】吉川尚輝:18試合 打率.298(57-17)2本塁打 7打点 2盗塁
短期決戦の命運握る先発陣
短期決戦でより重要となるのが先発の役割。ここでいかに試合を作れるか、流れを渡さないかが、重要になってくる。阪神は、髙橋遥、青柳晃洋、ガンケルの3枚が予想され、髙橋遥に加えて青柳も対巨人戦は2勝1敗、防御率2.25と相性は良い。ガンケルは炎上した試合が1試合あったが、そのほかの2試合は試合を作っており、万が一に備えて伊藤将司らをブルペンに配して総力戦で乗り切る算段か。
巨人は菅野智之、髙橋優、山口俊の3枚か。こちらも対阪神という部分では、菅野が3戦1勝1敗、防御率2.53で、髙橋優が前述の通り5戦4勝で防御率1.45、終盤調子を上げてきた山口も2戦で0勝1敗ながら防御率0.93と打たれていない。経験値という部分では巨人に一日の長はありそうだが、果たしてどうなるか。
<先発陣の今季対戦成績>
▼ 第1戦予告先発
【神】髙橋遥人:2試合(16回)1勝0敗 防御率0.00
【巨】菅野智之:3試合(21.1回)1勝1敗 防御率2.53
▼ 第2戦予想先発
【神】青柳晃洋:3試合(20回)2勝1敗 防御率2.25
【巨】髙橋優貴:5試合(31回)4勝0敗 防御率1.45
▼ 第3戦予想先発
【神】ガンケル:3試合(14.1回)1勝1敗 防御率6.28
【巨】山口 俊:2試合(9.2回)0勝1敗 防御率0.93