◆ 対照的だった5回
「2021 JERA クライマックスシリーズ セ」が6日に開幕。
ファーストステージの第1戦は巨人(3位)が阪神(2位)に4-0で快勝。ステージ突破に王手をかけた。
巨人はエース・菅野智之、阪神は若きGキラー・髙橋遥人という両先発の投げ合いではじまった試合は、両投手ともに序盤の3イニングをパーフェクトに封じる見事な立ち上がり。
緊迫した投手戦が動いたのは5回、巨人は安打で出た丸佳浩をゼラス・ウィーラーが犠打で送り、吉川尚輝の適時打で先制に成功。つづく6回にはウィーラーが2点適時打を放ち、今季1点も取ることができなかった髙橋遥人から3点を奪う。
援護を受けた菅野は7回まで2安打・無失点の快投を見せてマウンドを降りると、8回にはウィーラーが2打席連続となる適時打を放って加点。4-0で迎えた9回はチアゴ・ビエイラが二死から満塁のピンチを作って降板となったが、最後は畠世周が3つ目のアウトを奪ってなんとか逃げ切り。巨人が超短期決戦の初戦をモノにし、ファイナルステージ進出に王手をかけた。
6日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した高木豊氏は、「5回の攻防」がこの試合の明暗を分けたと解説する。
まずは巨人が先制した5回表について、「丸のヘッドスライディングから始まって、短期決戦ではああいうプレーがベンチを盛り上げますよね」とベテランが見せた“気迫”に触れながら、続くウィーラーの驚きの犠打には「1点勝負となったら誰でも送るということで、ここではたまたまウィーラーでしたけど、坂本でも送らせたと思う」とし、とにかく目の前の1点を取りに行く短期決戦仕様の采配だったと振り返り、しっかりとバントを決めてみせたウィーラーと、チャンスに応えた吉川の打撃を讃えた。
一方で5回裏、阪神の攻撃は巨人と同じ4番からという打順で、同じようにジェフリー・マルテが先頭打者として安打で出塁した。この場面に関して、「ミラーゲームみたいに、糸原に送りバントをさせるかなと思った。ただ、初球を打つ構えで見送っていたので、やっぱりバッテリーって次に怖いのはエンドランですよね」と、巨人バッテリーの頭の中を推察。
その通り、阪神は一塁走者を動かしてきたのだが、巨人バッテリーが外に大きく外してこれを阻止。しかし、このシーンについて高木氏は「警戒はするだろうなと思っていたんですけど、あそこまでしっかりと外せるというのは何か確信があったのかなと思う」と、完全なウエストボールを選択できた点に驚きの声。「ウエストされて一死走者なしとなったのが、この試合の阪神の動きを止めましたね」と語り、試合の流れを変えたプレーだったと強調した。
このプレーについては、捕手出身の谷繁元信氏も「豊さんが言われた通り、何か確信的なものがあったかなという。たとえば誰かの動きであるとか、もしかしたらサインなのか」とし、「1年間戦ってきた中で、阪神の傾向というものをスコアラーが伝達していたとか、そういうこともあるでしょうね」とコメント。
また、ウエストという選択について、「1ボール(0ストライク)から外せたというのは、菅野の状態も良かったんだと思います。だからこそ、バッテリーとして思い切って外していけたのだと思いますね」と語り、エースの調子の良さも大胆な策を後押ししたのではないかと振り返った。