3回、巨人・吉川のゴロをファンブルする阪神の遊撃手・中野

◆ 「出し惜しみ」した感が拭えない阪神の試合運び

 今季も阪神がクライマックスシリーズ(CS)で敗れた。そこには、やはり巨人との短期決戦の戦い方における差があったようにも思える。

 11月7日に行われたCSファーストステージ第2戦では、先発・髙橋優貴が不調と見ると巨人は2回途中であっさりと投手交代。対して阪神は、先発・青柳晃洋を引っ張り、先制直後に逆転を許してしまった。

 11月6日のCSファーストステージ第1戦でも、やはり先発・髙橋遥人の交代タイミングを見誤った印象だ。

 レギュラーシーズン最終登板となった10月21日の中日戦で左肘の違和感により降板した髙橋遥の状態は万全ではなかったかもしれない。6回二死一、二塁のピンチで右のウィーラーを迎えたが、裏の攻撃で髙橋遥に打順がまわってくることを考えてか、阪神首脳陣の判断は続投。結果、ウィーラーに痛恨の2点適時二塁打を浴びてしまった。

 もちろん、これらは結果論に過ぎない。しかし、わずか3試合制のCSファーストステージにおいて、出し惜しみをしたことでわざわざ相手にゲームの流れを渡してしまったようにも見えた。

◆ 過去9回出場のうち7回がファーストステージ敗退

 そして、過去の戦績を振り返っても、実際に阪神は結果を残せていない。以下は、阪神のこれまでのCSファーストステージ戦績だ。

【阪神CSファーストステージ戦績】
2007年:対中日 0勝2敗 敗退
2008年:対中日 1勝2敗 敗退
2010年:対巨人 0勝2敗 敗退
2013年:対広島 0勝2敗 敗退
2014年:対広島 1勝1分 勝利
2015年:対巨人 1勝2敗 敗退
2017年:対DeNA 1勝2敗 敗退
2019年:対DeNA 2勝1敗 勝利
2021年:対巨人 0勝2敗 敗退
通算6勝15敗1分/勝率.286

 以前に行われていたパ・リーグのプレーオフも含め、かつてはソフトバンク(旧ダイエー)の弱さがよく指摘されていたが、その後は常勝軍団に生まれ変わったソフトバンクに対して、阪神はずっとCSを苦手としているままだ。

 リーグ優勝からは遠ざかっているものの、コンスタントにAクラス入りする阪神は、過去14回行われたCSに9回出場している。しかし、そのうちじつに7回がファーストステージで敗退。ファーストステージを勝ち抜いたのは、2014年と2019年の2回のみだ。今季のファーストステージのように2連敗で終えたケースも多く、その通算勝率はわずか「.286」にとどまる。

 阪神はチームとして短期決戦の戦い方を学ばなければ、1985年以来の日本一はおろか、日本シリーズ進出すら難しいままかもしれない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【プロフィール・清家茂樹】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

この記事を書いたのは

清家茂樹

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