スーパールーキーに新人王への追い風!?
10、11月度の『大樹月間MVP賞』の打者部門が9日に発表され、DeNAの牧秀悟が初受賞。チームでは6月のタイラー・オースティンに続いて、今季2人目の受賞者となった。
牧の10月の成績は19試合の出場で打率.452、ホームランは1本だったものの二塁打は11本で、OPSが驚異の「1.138」。オースティンの肉離れにより10月6日から4番に座ると、シーズン終了までの15試合でその座を守り、打率.517、得点圏打率.500と、チームに貢献した。
今回の受賞を受けて牧は「素直に嬉しいという気持ちがありました」と声を弾ませ、これだけの結果を残しながらも「予想はしていなかった」とコメント。大学時代もMVP受賞歴はあるが、「学生の時とは違う気持ち。凄い選手がいる中でMVPが獲れたのが凄く嬉しい」と笑顔を見せた。
シーズン最後のスパートには「もうガムシャラに、最後の後半戦ということで、悔いの残らないようにと毎打席毎打席、打席に立ったのが良かった」と自己分析。さらに、「最初の頃に比べて、後半になると対戦したピッチャーだったり、試合の入り方にも徐々に慣れてきた。追い込まれてからでもヒットにできたり、インコースをしっかり捌けたりと、前半戦できなかったことが後半戦できた」と続け、プロの水に慣れたことも好結果のひとつとした。
4番での好成績には、「あまり意識せずに、前にも後ろにもいいバッターがいたので、気持ちは楽だった」としながらも、「チャンスではしっかりと打たなければいけないのが4番の役割だと思うので、集中して打席に入った」と打線の核としての心構えも口にした。
チームの新人MVPは、村田修一以来という快挙に、「偉大な先輩に当たる方に少しでも記録で追いつけたのは嬉しく思います」と頷き、来季に向けては「1年間通して怪我をしない身体作りを大切にしていきたい」とコメント。また、「交流戦前とかに調子が悪い時があったので、そういう時期をなくしてチームのために頑張りたい」とも語り、さらなる活躍を誓った。
最終的な打率.314はセ・リーグの2位。三浦監督も「本当に凄いヤツ」と何度も舌を巻き、数々の記録を塗り替えたスーパールーキー・牧秀悟。今シーズンの最後を締めくくった月間MVPが、大目標の新人王への追い風となるか注目だ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)