ニュース 2021.11.10. 06:30

真中さんが語るヤクルト打線のキーマンは?! 「打つとチームの雰囲気がよくなる」

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2021.11.10 18:00
東京ヤクルトスワローズ 4 終了 0 読売ジャイアンツ
神宮

いよいよファイナルステージが開幕!


『JERAクライマックスシリーズ セ』の1stステージを制した巨人を待ち受ける、セ・リーグ王者ヤクルト。いよいよ日本シリーズ出場を賭けたファイナルステージが11月10日(水)から始まる。

そこで今回、2015年にヤクルトを率いてファイナルステージを制した経験を持つ真中満さんに、ファイナルステージに向けた見どころや展望、両チームにおける投打のキーマンなどを伺った。


気になる巨人の投打のキーマンは?


——シーズン3位の巨人が2勝0敗でファーストステージ勝ち上がりました。ファイナルステージの投打のキーマンは誰になりそうですか?

真中さん 打つ方では坂本だと思いますね。短期決戦ですから坂本の調子(ファーストステージ2試合で8打数1安打)が上がってくるとチームに勢いがつくと思います。岡本がファイナルステージに間に合うのかどうなのか分かりませんけど、丸の調子(同6打数3安打)も上がってきていますから、坂本の調子が上がってくるとかなり怖い打線になる。


——投げる方ではどうでしょう?

真中さん やっぱり菅野ですよね。ファーストステージの初戦に投げましたから、ファイナルステージでは中4日、5日とか詰めて投げてくると思うんですけど、そこでしっかり勝てるような投球をされると、流れも少し変わってくる気がします。だから巨人は菅野が投げる前に連敗をしてしまうと、(1勝のアドバンテージを含めて)0勝3敗になってしまうので、連敗をせずに菅野が投げるまでしっかりと踏ん張っておくことが大事になってくる。


真中さんが選ぶ「陰のMVP」


——一方、ファイナルステージで巨人を待ち受けるヤクルトですが、2年連続の最下位から今シーズンはどこが一番変わったと見ていましたか?

真中さん やっぱりピッチャーですね。序盤はちょっと苦しみましたし、先発陣に2ケタ勝利の投手はいなかったけど、終盤は奥川を中10日で回せるくらい、7、8枚の投手で余裕を持ってローテーションを回せていた。それによって先発のスアレス、田口を中継ぎで使うことができたり、投手陣の層が分厚くなって安定したことが今シーズン大きく変わった点だと思います。

打線では、トップバッターに塩見が定着したこと、それと両外国人選手のオスナ、サンタナがスタートからいい仕事をしたことが大きかった。


——やっぱり村上の後ろにオスナ、サンタナが控えていたのは大きかったですか?

真中さん そうですね。去年までは4番の村上をマークして5番、6番で勝負ということが多かったと思うんですけど、今年はこの二人とバッティングの調子がよかった中村が後ろに控えていた。1番から下位まで繋がりのある打線ができましたよね。


——真中さんの開幕前の予想は3位だったかと思いますが、どのあたりを懸念されていましたか? やっぱりピッチャーですか?

真中さん そうですね。去年の戦いぶりを見ていてもピッチャーは非常に苦しいなと思っていましたから。打つ方は両外国人選手が入ってある程度は得点力があるだろうとは見ていましたけど。そういう意味でも、やはり今年はピッチャーがしっかり試合を作ったことが大きかった。終盤の苦しいところで高橋(奎二)、原(樹理)とかも出てきましたしね。


——スポーツニュースの中で「今季のヤクルトのMVPは打では村上、投手は清水」とおっしゃっていましたが、数字だけではない「影のMVP」を1名選ぶとしたら誰になりますか?

真中さん 中村ですね。やっぱり去年、チーム防御率が悪いと言われて非常に苦しい思いもしたと思うんですけど、そんな中で今年は若い投手もたくさんいる中で、上手くキャッチャーとして引っ張っていた。

打つ方でも「.280」近く打って(打率.279)、しかも勝負強いバッティングでいいところでタイムリーを打ったりしていましたし、チームが落ち着いて戦えたのは中村のお陰だと思いますから。


平常心で臨んだ2015年のファイナルステージ


——監督として2015年のファイナルステージをご経験されていますが、待ち構えるチームはファーストステージの試合をどんなふうに見ているものですか?

真中さん どっちがきても自分たちの戦い方をしようというところはあると思うんですけど、ファーストステージの試合を見て、どっちに勢いがあるとかないとか、あんまり気にしなかった。とにかく「自分たちのことをやる」という感じで見ていました。


——采配面ではシーズン中と意識して変えたこと、注意したことなどはありますか?

真中さん 特になかったですね。短期決戦だからといって初回から送りバントをしていこうとか、特にそんなことは考えなかった。あんまりクライマックスシリーズ用の戦い方をしてしまうと、かえって選手たちがバタバタすると思った。継投では調子のいいピッチャーから使いたいとか、要所要所ではシーズン中と違うところもありましたけど、でも基本的には戦い方はあまり変えずに臨みましたね。


——2015年は初戦で巨人に敗れてからの3連勝でした。初戦に敗れた後は選手たちにどん話しをしたとか覚えていますか?

真中さん 特に話はしませんでした。初戦を落としたからといってあんまり苦しい感じはしなかったですし、まだ1勝1敗のタイなのにわざわざ監督が選手を集めて話をすると、なんか追い詰められた感が出てしまいますし、かえって萎縮してしまう気もしたんですよね。


——そのあたりもシーズンと同様に、ということだったんですね。

真中さん そうですね。もうちょっと追い込まれたら考えていましたけど。


ヤクルトの投打のキーマンはこの2人!


——今年のファイナルステージ、「真中監督」であれば第1戦の先発は誰に託しますか?

真中さん 今だったら奥川が一番いいですよね。奥川でいきます。


——ヤクルトの投打のキーマンは誰になりますか?

真中さん 打つ方では山田ですね。村上ももちろんいますけど、山田が打つとチームの雰囲気もよくなると思いますし、1、2番の出塁率も高い。3番バッターがしっかり得点を挙げるということが必要になってくると思う。

あと、山田は今年、良かったり悪かったり、波がちょっとあったので、調子よくファーストステージに入っていけるとチームも戦いやすい。


——投げる方ではどうでしょう?

真中さん やっぱり奥川ですね。ファーストステージを戦った巨人は3番手、4番手の先発が投げてくるでしょうから、初戦の奥川でしっかり勝っておきたい。それで(アドバンテージを含めて)2勝0敗になりますから。


——第6戦までもつれた場合、最後にまた奥川が投げるのは難しいですか?

真中さん 最後なので多少無理をさせてでも投げさせた方がいいと思うけど、でもちょっと厳しいかもしれない。中4日になるし、先発の枚数は足りているので。


——ズバリ、ファイナルを制するのは?

真中さん やっぱりヤクルトだと思いますね。打線も非常にいいですし、ピッチャーも今の状態だとある程度抑えていけると思いますので。もちろんアドバンテージもありますし。


——OBとしての贔屓目なしにヤクルトの方が強い?

真中さん はい! 贔屓目なしでそう思っています!

——ありがとうございました!


取材・構成=永松欣也(ながまつ・きんや)

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