ソフトバンクのリチャード (C)Kyodo News

◆ バレンティンが退団しグラシアルとデスパイネも退団が濃厚

 ソフトバンクが2013年シーズン以来、8年ぶりにポストシーズンへの出場を逃した。その結果を踏まえ工藤公康監督が退任し、藤本博史二軍監督が一軍の監督に就任。すでにはじまっている秋季キャンプで、来シーズンの巻き返しへ向けた猛練習が行われている。

 その秋季キャンプで藤本新監督は、柳田悠岐、中村晃、栗原陵矢ら左打者が主軸に多いことから、若手右打者の台頭を求めた。外野手では真砂勇介に佐藤直樹や水谷瞬、内野手では野村大樹やリチャードらがその候補だろう。

 そのなかでも、右の大砲候補として今シーズン7本塁打を放ったリチャードにかかる期待は大きいものがある。今シーズン右打者でチーム最多の14本塁打を放った松田宣浩は、2年連続で15本塁打に届かなかった。12本塁打の甲斐拓也も打撃スタイルや捕手というポジションを考えると、20本、30本と期待することは現実的ではない。

 外国人選手を見ても、バレンティン(日本人選手扱い)がすでに退団し、デスパイネとグラシアルは退団が濃厚とされる。右打者の外国人選手の獲得はあるかもしれないが、現段階で計算できる右の大砲はひとりもいないのが実情だ。

◆ 本塁打率15.00は、杉本裕太郎と山川穂高に匹敵

 リチャードは昨シーズンの開幕前に支配下登録され、今シーズン初めて一軍デビュー果たしたばかり。すぐにレギュラー級の活躍を求めるのは時期尚早かもしれないが、今シーズンは34試合(105打数)の出場で7本塁打を放っている。本数だけを見ると目立たないが、1本塁打に擁する打数を表す本塁打率は、15.00と2本塁打以上の選手ではチームトップだった。

 パ・リーグで本塁打率が15.00(5本塁打以上)を切っている選手は、本塁打王に輝いた杉本裕太郎(オリックス/14.94)と山川穂高(西武/14.92)のふたりだけ。打数がまだまだ少ないとはいえ、リーグを代表するスラッガーたちと同水準の本塁打率を誇っているのは心強い数字だ。

 リチャードが狙う三塁のポジションは、長らく松田がレギュラーを務めてきた。その松田も来シーズンは39歳になることを考えると、世代交代は必須だ。ここ数年、松田の後継者問題はつねに取り沙汰されてきたが、誰も松田という高い壁を飛び越えることができなかった。

 しかし、こうして右の大砲候補であるリチャードが本格化の兆しを見せたことに大きな意味がある。日本一の連覇が「4」で途切れたいまこそ、世代交代のチャンス。リチャードが右の大砲として中軸に座ることができれば、藤本監督の掲げる理想の打線に近づくことは間違いない。

 また、リチャードは来年23歳と若く、長期的にチームの中心選手となる可能性も秘めている。リーグ優勝、日本一奪回、さらにはあらためて常勝軍団をつくるためにもリチャードの本格化は必要不可欠だ。王会長が目をかけ、小久保二軍監督もポテンシャルを評価する大砲が、来春の開幕戦でスタメンに名を連ねることができるのか、注目だ。

<今シーズン成績>
リチャード(ソフトバンク)
34試合 打率.181(105-19) 本7 打点20 本塁打率15.00

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