高卒5年目右腕が大舞台のマウンドへ

　　『2021 パーソル クライマックス シリーズ パ』ファイナルステージ第3戦の予告先発が、第2戦終了後に発表。第2戦を制して日本シリーズ進出に王手をかけたオリックスは、トミー・ジョン手術を乗り越えて今季一軍デビューを飾った高卒5年目右腕の山崎颯一郎がマウンドに上がる。

　大舞台のマウンドを託された山﨑颯は、第2戦を前に「まだ緊張してないです。たぶん試合（第2戦）が始まって画面を見てるぐらいのときから、緊張し始めるんだろうなと思います」とコメント。初戦で同学年の山本由伸が完封劇を披露したこもあり、「自分もやってやろうという刺激になる。イケイケでチームの雰囲気もいいので、そのまま行きたい」と意気込んだ。

　今回の先発は「1〜2週間ぐらい前に『最速3戦目あるぞ』と言われて、CSが始まる前の日ぐらいに（投手コーチの）高山さんから言われた」とのこと。高山コーチからは「ストライクをいいところに投げようと思って、小さくなるなと」言われたことを明かし、「そこまでのコントロールはないので。今はただストライクゾーンに自分の強い球を投げられたらいい」と、自身のやるべきことに集中している。

　また、「やってやろうという気持ちもありますし、自分はあがり症なので、そこを抑えて冷静にいこうと思う。立ち上がりで変わると思うので、初球ですかね。初球は『こいつ調子いいぞ』と思わせるような球を投げたい。それだけでも威圧になる」「みんな凄いバッターなので、回の先頭打者をしっかり抑える意識でいきたい」」と、初球・先頭の入り方に細心の注意を払う。

　トミージョン手術から2年でCSの先発マウンドに上ることになった右腕は「全く思ってなかった。一軍で投げられればいいかなという感覚だったので、今年はツイてると思う。トレーナーの皆さんとリハビリをやって、黒木さんもいたので心強かった」と、ここまでの道のりを振り返り、「スライダー、カーブ、フォークと変化球が試合の中で良くなってきた」と自身の成長に対する手応えも口にした。


取材・文＝どら増田