6回8奪三振で無失点の力投
『JERAクライマックスシリーズ セ』ファイナルステージの第2戦が11日に神宮球場で行われ、ヤクルトが5-0で快勝。
2連勝でアドバンテージを含めた対戦成績は3勝0敗となり、早くも日本シリーズ進出に王手をかけた。
20歳・奥川恭伸の圧巻の完封劇から一夜明けて、この日の先発を託されたのが24歳左腕の高橋奎二。
立ち上がりは力みから制球に苦しみ、二死ながら満塁の大ピンチ。それでも、6番・中島宏之を空振り三振に斬ってなんとかスコアボードにゼロを刻むと、2回は2つの三振を奪って三者凡退。3回は二死から安打と四球で一・二塁と再びピンチを招いたが、ゼラス・ウィーラーを左飛に打ち取って無失点で切り抜けた。
序盤で2安打・3四球と走者を背負う展開を強いられたが、要所で投げ込むストレートの勢いで巨人打線を圧倒。終わってみれば6回・102球、2安打・3四球も8つの三振を奪って無失点と、見事に先発としての役割を果たした。
打線も2回に西浦直亨の犠飛で先制に成功すると、その後は粘る菅野智之を前に追加点がなかなか奪えなかったが、6回裏に高橋の代打で出場した川端慎吾が押し出しを選んで待望の2点目。
さらに満塁から好調・塩見泰隆が走者一掃の3点適時三塁打を放ち、このリードをリリーフ陣が守って見事に完封リレーが完成。ヤクルトが2連勝で日本シリーズ進出に王手をかけた。
11日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した池田親興氏は、この日の高橋を「ギリギリだった」と評する。
結果的には6回無失点だが、立ち上がりについては「力が入っていて、アウトは全部三振でしたけど、キャッチャーからしたら『どうリードしようかな…』というような状態」と、決して良いスタートではなかった点に言及。
つづけて、「巨人があの初回になんとか1点を奪っていたり、もう少し粘って球数を投げさせていたら、今日の試合は違った形になったかもしれない」と付け加えつつ、高橋の良かった点については、「その中で彼自身がコースうんぬんではなく、強く腕を振ろうとしたこと」と解説。
開き直って持ち味であるボールの勢いに賭けた点をカギに挙げ、「身体いっぱい使って投げて行こうというのが見えた。踏ん張れる球の強さがあった」と、短期決戦の中で見せた“思い切りの良さ”を讃えた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』