オリックスのエース・山本由伸 (C) Kyodo News

◆ 先勝したチームの優勝確率は63%

 「初戦が最重要」というのは、短期決戦における常套句のひとつ。現在、セ・リーグ覇者のヤクルトとパ・リーグ覇者のオリックスが熱戦を繰り広げている日本シリーズにおいても、その常套句は真実だと言える。

 1950年からはじまった日本シリーズは、昨季までに71回開催されている。そのうち、第1戦に勝利して優勝を果たしたケースは44回。第1戦に勝利したチームの優勝確率は62%である。また、第1戦が引き分けだったケースが3回あり、その後に「先勝」したチームも含めれば、先勝したチームの優勝確率は63%だ。

 しかし、見方によっては第1戦以上に第2戦が重要であるとも言える。第1戦、第2戦と連勝して優勝を果たしたケースが28回あるのに対し、第1戦に勝ちながら第2戦を落とし、そこから優勝したケースは16回。当然のことながら、連勝したケースと比べるとその優勝確率は下がる。

 加えて興味深い数字もある。逆に第1戦を落としながらも第2戦に勝利し、逆転優勝したケースも同じく16回あるのだ。第1戦の勝敗にかかわらず、第2戦までを終えて1勝1敗となったチーム同士の優勝確率はまったくの五分となっている。

◆ 第2戦から巻き返した最後は…

 日本シリーズにおいて第1戦を落としながらも第2戦に勝利し、逆転優勝した直近のケースは、2014年のソフトバンクだ。対戦相手は阪神。レギュラーシーズンでセ・リーグ2位だった阪神は、CS(クライマックスシリーズ)ファイナルステージにおいてセ・リーグ覇者の巨人を「4タテ」で破って日本シリーズに進出した。

 その勢いのまま、日本シリーズ第1戦では5回に一挙5点を奪うなどして6-2で勝利を挙げる。ところが、以降は武田翔太、大隣憲司、攝津正らソフトバンク先発陣、森唯斗、五十嵐亮太、サファテら盤石の中継ぎ陣の前に打線が完全に沈黙。ソフトバンクは第2戦からの4連勝で逆転優勝を果たした。

 この年以降、ソフトバンクは7年間で6度も日本シリーズを制しており、常勝軍団へと変貌した。しかし、その姿は今季の日本シリーズにはない。代わりに大舞台に立つのは、ともに昨季最下位に沈み、それこそ大逆転での日本一を狙うヤクルトとオリックスだ。

 開催中の日本シリーズにおけるヤクルトとオリックスは、第2戦を終えて1勝1敗。勝敗に限った過去の数字から見れば、どちらが優位ということはいえない。

 また、第2戦までの試合内容自体も、それこそ互角といえる均衡したもの。今季の日本シリーズにはどんな展開、結末が待っているのか--。まさにここからが本番だ。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【プロフィール・清家茂樹】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

この記事を書いたのは

清家茂樹

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