41歳10カ月での白星は日本シリーズ2番目の年長記録
「SMBC日本シリーズ2021」の第4戦が24日に行われ、セ・リーグ王者のヤクルトが2-1で勝利。
これでシリーズの対戦成績を3勝1敗とし、2001年以来で20年ぶりとなる日本一に王手をかけた。
初戦を逆転サヨナラ負けで落とすも、そこから連勝でリードを奪って迎えた第4戦。先発マウンドにはプロ20年目・41歳の石川雅規が上がった。
序盤から抜群の制球力とテンポの良い投球でオリックス打線を翻弄し、5回まで1安打・無失点のナイスピッチング。
6回にこの試合はじめての連打を許し、これに味方のミスも絡んで失点を喫してしまったものの、冷静に後続を斬って6回を1失点。被安打3、与四球がひとつ、5奪三振で1失点(自責は0)と見事に役割を果たしてみせた。
すると直後の6回裏、味方打線が二死走者なしからチャンスをつくり、ホセ・オスナがセンターへの適時打。2-1と勝ち越しに成功する。
その後の7回からは継投策に入り、前日好投を見せた石山泰稚から清水昇、最後はスコット・マクガフへと繋いで1点のリードを死守。ヤクルトが接戦を制し、6回1失点の石川が勝利投手に。
石川はこれがプロ20年目でうれしい日本シリーズ初勝利。ちなみに、41歳10カ月での同シリーズ白星は、1950年の若林忠志(毎日/42歳8カ月)に次ぐ史上2番目の年長記録。セ・リーグに限れば史上最年長記録というおまけ付きだった。
24日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、この日のヤクルトの勝利の要因として石川の快投が話題に。
解説者の谷沢健一氏は「スピードがなくても、こうやれば抑えられる。というような見本を見せてくれている」と、石川の投球術を絶賛。
つづけて、「日本シリーズだと力が入るものだけど、飄々と投げる姿がね。平常心を保ちながら、こうやってピッチングができるのは“さすが石川”というところ」と語り、大舞台でも“らしさ”を発揮したベテランを讃えた。
同じく番組に出演した笘篠賢治氏も、「今季の石川と中村のバッテリー、そのコンビネーションがそのまま日本シリーズで発揮された」と、やはり大舞台で“いつもの”投球が展開できたところを勝因に挙げる。
特に強調したのが「ファーストストライクの取り方」。「この日も(対戦した)21人中14人でファーストストライクを取ることができていた」と、ストライク先行で優位に進めることができていた点に加え、「2ボールとなった直後に、ストレートでストライクが取れていた」点にも注目。「“石川投手=変化球投手”というイメージが相手にある中で、裏をかいてストレートでストライクが取れていた。そういった部分の大胆さ、やってきた形がシーズン同様に日本シリーズでも出た」と、オリックス打線を翻弄できた要因についても分析した。
最後に、球団OBでもある大矢明彦氏は「若い選手が頑張っているからね。負けていられないよ」と大ベテランにエール。
ヒーローインタビューで「自分自身に『よかったね』と言ってあげたい」と照れながら語った姿を見ながら、「喜びも悲しみも、いろいろな経験をしてきた。そして日本シリーズでやっと勝てたと。我々もひと言、ちゃんと言ってあげないと。『よかったね』って」とまとめ、小さな大投手の“1勝目”を祝福した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』