ニュース 2021.11.25. 18:42

中央学院大が神宮大会初V!慶大は大学四冠ならず…

明治神宮野球大会 大学の部 決勝
慶大(東京六大学野球連盟代表) 8 - 9 中央学院大(関東五連盟第一代表)

 19年ぶり3回目の出場となった中央学院大が、慶応大を9-8で下し、初優勝を果たした。

 中央学院大の先発・畔柳光投手(4年・西武台千葉)は初回に2点を失うと、続く2回も2番手・清水一眞投手(1年・共栄学園)が2点適時打を許し、序盤は4点を追う展開となった。

 しかし、中央学院大は4回裏、先頭の2番キャプテン・武田登生内野手(4年・中央学院)の右三塁打でチャンスをつくると、続く3番・佐藤晃一捕手(4年・聖光学院)が左翼フェンス直撃の適時打。この回、押し出しの四球も含め2点を返すと、2-5と3点差で迎えた5回裏には一死一塁で再び佐藤が左中間へ2試合連続の2ラン本塁打を放って1点差に迫り、慶大の先発左腕・増居翔太投手(3年・彦根東)を引きずり下ろした。

 勢いを増した中央学院大は、4-5と1点を追う6回裏、2つの四球で一死満塁のチャンス。ここで2番・武田が、慶大・3番手の生井惇己投手(3年・慶應)の高めに浮いた変化球を捉え、左中間へ走者一掃逆転の3点適時二塁打。さらに一死満塁で慶大の5番手・渡部淳一投手(3年・慶應)から元プロ野球ヤクルト・度会博文氏の長男、5番・度会基輝内野手(4年・拓大紅陵)が中前へ2点適時打。この回5得点を挙げ9-5とリードを奪った。

 7回に5番手・山﨑凪投手(4年・千葉英和)が、5番・廣瀬隆太内野手(2年・慶應)にセンターバックスクリーンへ被弾。さらに無死一・三塁で8番・朝日晴人内野手(3年・彦根東)に左翼へ犠飛を打たれる。8回には、6番・橋本典之外野手(4年・出雲)に右線へ適時二塁打を許し、8-9と1点差に迫られる。

 9回表、中央学院大は7回から登板している山﨑がそのままマウンドヘ。先頭の朝日に中前打、続く代打・宮尾将内野手(3年・慶應)が送るかと思われたが、バスターを決められ、左安打で無死一・二塁。1番・渡部遼人外野手(4年・桐光学園)を中飛、2番・萩尾を投ゴロ、二塁封殺で一塁にも転送したが、併殺ならず。思わず飛び出した中央学院大メンバーたちは慌てて三塁側ベンチへ戻った。二死一・三塁。一瞬の静寂の後、1ボール0ストライクから3番・下山悠介内野手(3年・慶應)が打ち上げた打球は右飛に。中央学院大が振り切った瞬間だった。

 春秋の東京六大学リーグ、全日本大学選手権と合わせ、東京六大学史上初の大学四冠を目指した慶大の夢は叶わず。中央学院大が19年ぶり3回目の出場にして、初優勝を果たした。

 今秋の千葉県大学リーグ戦では開幕から1勝3敗で、2部との入替戦も覚悟したという中央学院大メンバー。「とにかく明るく自分たちの色を出していこうとやってきたら、こういう結果になった」と振り返ったキャプテンの武田。

 「このチームの結成当初に日本一と掲げてやってきたが、山あり谷ありだった。本気度が今までの選手たちとはちがっていた」と菅原悦郎監督は目を細め、選手たちの手で神宮の夜空に舞った。

(取材=ニッポン放送アナウンサー・洗川雄司)
ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ショウアップナイター
  • ベースボールキング
FM