トライアウト組が好投、チーム力アップを再認識
8日に「プロ野球12球団合同トライアウト」がメットライフドームで行われ、今オフに戦力外通告を受けた選手やNPB復帰を目指す33選手が参加した。
気温9度の寒さの中、光ったのは今季パ・リーグを制したオリックスの投手陣だった。まず先陣を切った金田和之(31)が打者3人を相手に無安打投球。最後に対戦した打者にフルカウントから四球を与えたものの最速147キロをマーク。視察に訪れていた日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志監督が、目に留まった選手として金田の投球内容を評価した。
続いて登板した神戸文也(27)はパーフェクト投球。最速148キロの直球を軸に、わずか10球で打者3人を打ち取った。3人目で登場した荒西祐大(29)は3者連続三振の会心投球。最速145キロの直球と鋭く沈むシンカーのコンビネーションが冴え渡り、登板後「早めに追い込む投球ができました」と納得の表情を見せた。
4人目で登板した吉田一将(32)は、四球を1つ与えたもののこちらも無安打投球。142キロの直球で空振りを奪うなど、NPB通算226試合登板の実力を示した。
4投手で計12打者と対戦し、1本の安打も許さない無安打リレー。他球団の投手やその他の参加者と比べ、明らかにオリックス投手陣の良質ぶりが際立っていた。
救援陣も富山、吉田凌らが欠かせない存在に成長
今季のオリックス投手陣は若手が大活躍。先発陣は沢村賞に輝いたエース・山本由伸(23)を筆頭に、高卒2年目の宮城大弥(20)はリーグ2位の13勝を挙げ、4年目の田嶋大樹(25)は2年連続で規定投球回をクリアした。
シーズン終盤には山﨑颯一郎(23)が台頭し、高卒5年目右腕はロッテとのCSファイナル、ヤクルトとの日本シリーズにも先発登板。中堅の域に入った山﨑福也(29)も含め、日本シリーズに先発した5投手は全員が20代だった。
救援陣も3年目の富山凌雅(24)が自己最多の51試合に登板し防御率2.72を記録。シーズン終盤は高卒6年目の吉田凌(24)が大事な場面を託され、3年目の漆原大晟(25)は抑え定着とはならなかったものの、34試合で防御率3.03と飛躍のきっかけをつかんだ。
投手陣だけではなく、宗佑磨(25)が三塁、紅林弘太郎(19)が遊撃のレギュラーに定着するなど、投打ともに世代交代を印象づけた2021年のオリックス。トライアウトに参加した4投手の好投で、改めてチーム全体のレベルアップを思い知らされた。