オリックス・山本由伸 (C) Kyodo News

◆ 五輪ブレイクもあり前年14人から23人に増加

 2021年の規定投球回到達者はセ・パ両リーグ合わせ23人。延長なしの9回打ち切り制のため、現行の規定が採用された1964年以降で最少だった2020年の14人を下回る可能性も危惧されたが、東京五輪による約1ヵ月間の長期中断もあり逆に増える結果となった。

 今季を終えた時点で、もっとも長く規定投球回を連続でクリアしている投手は阪神・西勇輝の4年連続。今季は節目の通算100勝も達成し最低限の役割は果たしたと言えるが、後半戦は不安定な投球が続き6勝9敗と黒星先行。防御率もオリックス時代含めシーズン自己ワーストの3.76に終わり、悔しさが残るシーズンとなった。

 オリックス・山本由伸、阪神・青柳晃洋、中日・大野雄大は3年連続で規定投球回をクリア。3投手とも東京五輪の日本代表にも選ばれ、多忙で変則的なスケジュールの中、最後まで主戦投手として自軍の先発陣を支えた。

 チーム単位で見ると、日本シリーズを制したヤクルトは規定回到達者ゼロ。開幕投手の小川泰弘は128回1/3にとどまり、新外国人のサイスニードはコロナ禍による来日遅れもあり消化イニングは68回2/3。それでも、後半戦からポストシーズンにかけて奥川恭伸や高橋奎二が快投を連発するなど、来季への明るい兆しは見えた。

 そのヤクルトに日本シリーズで敗れたオリックスは、山本以外に宮城大弥と田嶋大樹が規定回クリア。日本シリーズでは同じく若手の山﨑颯一郎が好投し、故障から復帰した山岡泰輔は好リリーフを見せるなど、こちらも未来は明るい。

 オリックスのほかに、広島、中日、楽天、日本ハム、西武もそれぞれ3投手が規定投球回をクリア。8年ぶりに楽天に復帰した田中将大は、援護に恵まれず4勝9敗と黒星が先行したものの、155回2/3で防御率3.01と持ち前のゲームメイク能力を発揮した。コロナ禍だったヤンキース時代の2020年シーズン(60試合制)は、開幕前の負傷もあり消化イニングは48で規定回に届かず。それでも、NPBに限れば楽天入団1年目から8年連続規定回クリアと抜群の稼働率を誇っている。

 日本ハムの伊藤大海は両リーグの新人でただひとり規定投球回をクリアし、追加招集された東京五輪では侍ジャパンの金メダル獲得にも貢献。新庄BIGBOSS体制となる2年目以降のさらなる飛躍が期待される。

 2021年の規定投球回到達者は以下の通り。

●ヤクルト
規定回到達者なし

●阪神
青柳晃洋(156回1/3、13勝6敗、防御率2.48)
西勇輝(143回2/3、6勝9敗、防御率3.76)

●巨人
戸郷翔征(151回2/3、9勝8敗、防御率4.27)

●広島
森下暢仁(163回1/3、8勝7敗、防御率2.98)
九里亜蓮(149回、13勝9敗、防御率3.81)
大瀬良大地(146回2/3、10勝5敗、防御率3.07)

●中日
柳裕也(172回、11勝6敗、防御率2.20)
大野雄大(143回1/3、7勝11敗、防御率2.95)
小笠原慎之介(143回1/3、8勝10敗、防御率3.64)

●DeNA
規定回到達者なし

●オリックス
山本由伸(193回2/3、18勝5敗、防御率1.39)
宮城大弥(147回、13勝4敗、防御率2.51)
田嶋大樹(143回1/3、8勝8敗、防御率3.58)

●ロッテ
小島和哉(146回、10勝4敗、防御率3.76)

●楽天
田中将大(155回2/3、4勝9敗、防御率3.01)
岸孝之(149回、9勝10敗、防御率3.44)
則本昂大(144回2/3、11勝5敗、防御率3.17)

●ソフトバンク
石川柊太(156回1/3、6勝9敗、防御率3.40)

●日本ハム
上沢直之(160回1/3、12勝6敗、防御率2.81)
加藤貴之(150回、6勝7敗、防御率3.42)
伊藤大海(146回、10勝9敗、防御率2.90)

●西武
髙橋光成(173回2/3、11勝9敗、防御率3.78)
今井達也(158回1/3、8勝8敗、防御率3.30)
松本航(149回2/3、10勝8敗、防御率3.79)

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