短期決戦の裏で…最強打者が熾烈な競争
ソフトバンクの柳田悠岐選手(33)とオリックスの吉田正尚選手(28)が12日、アンダーアーマーのオンラインイベント『アンダーアーマーベースボールフェスタ2021』に出席し、トークショーを繰り広げた。
球界屈指の強打者である2人は、吉田正が2年連続の首位打者、柳田も打率.300、28本塁打の好成績を残すなど今季も大活躍。イベントで盛り上がったのは、両選手が使用する“バット”に関する話題だった。
柳田は吉田正の薦めを受け、エンゼルスの大谷翔平選手も採用している「イエローバーチ」という木材のバットを使用するようになったことを明かし、「今年のオールスターの時にマサタカが横にいて『ちょっとバットかして』って音を確かめたら、明らかに僕のバットの音と違うんですよ。全く違うんですよ。野球のレベルで言ったら小学生と大学生くらい違うんですよ」と、同じイエローバーチ製のバットが鳴らす“音”の差に愕然。ギータ節で当時の驚きを表現した。
特にバットの打球音にこだわっているという柳田は、「(吉田正が)バット工場に行って、全部木材を自分で選んでやってます、と…。そういう話を聞いたんで、これは行かんといけんな」と、今オフは吉田正に負けじと理想の木材探しに挑戦。大量の材料から来季の相棒候補をピックアップし、「よしよしよし。ええ木材ゲットした」と、SNSで意気揚々に写真を投稿した直後だった…。
吉田正から「お先に確保してます」と衝撃のメッセージ。
「マサタカはまだ日本シリーズ終わってなかったんで、僕のほうが先に良い木材をゲットしたやろうなと思ってたら、先にマサタカが(工場に)行ってたんですよ。(笑) はや!コイツいつ行ったんかな?っていうのでびっくりしました」
スケジュールの合間を縫って、先回りしていた吉田正は「もうこれは先に行かなあかんと思って、(柳田の訪問)スケジュールを確認して、それよりも先に材を確保しに行きました。(音のいい木材は)大量に確保される可能性があったので。笑」と、してやったりの表情。
野球ファンが注目する短期決戦の裏で、人知れず繰り広げられていた2021-2022シーズンの“バット争奪戦”は、2年連続で首位打者に輝いた吉田正に軍配が上がった。
熾烈な争奪戦を制した吉田正は、来季へ向けて自身初の30本塁打超えにも意欲を示しつつ、「(チームとしては)パ・リーグ連覇が目標。日本一になれなかったので、もう一度その舞台に立てるように、日本一を目指して来年はやっていきたい。個人としても打撃部門すべてで一番を目指して、このオフも自分を見つめ直してやっていきたいと思います」と、さらなる高みに到達するためのレベルアップを決意。
一方、来季からチームキャプテンも務める柳田は「(目標は)優勝ですね。今年はちょっとフェンス手前で打球が失速することが多かったので、身体のトレーニングを始めています」と、すでに覇権奪還を見据えて身体作りに着手していることを明かした。
球界を代表するスラッガーは、こだわりが詰まった相棒を手にどれだけの快音を奏でるのか…。2022年シーズンは2人がこだわる“打球音”も要チェックだ。