ニュース 2021.12.15. 10:00

ロッテ、左のリリーフが手薄な中で光った右のリリーフ陣

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ロッテ・小野郁[撮影は2020年]

開幕直後の田中靖


 ロッテのリリーフ陣は、左投手が一軍に定着することができず、開幕から右投手が中心に構成されてきた。それができたのも、“左打者”に強い“右投手”が多かったことも関係しているのではないだろうかーー。

 守護神・益田直也、セットアッパーの佐々木千隼は左打者の被打率が1割台に抑えただけでなく、小野郁、ハーマン、田中靖洋など左打者に比較的強い右投手が多かった。

 田中靖はシーズンの左打者の被打率が.265(68-18)だったが、前半終了時点での左打者の被打率は.188(32-6)と抑え込んだ。開幕直後は左のリリーフが一軍に不在だったこともあり、“左打者”に打順が巡ってきたところで、先発投手の後を受けて登板することが何度もあった。

 3月26日のソフトバンクとの開幕戦は1-3の6回に先発・二木康太が、柳田悠岐に2ラン、グラシアルに二塁打を打たれ、左の中村晃に打順が回ってきたところで田中が登板。中村晃を初球のカットボールで一直、続くデスパイネを空振り三振、左の栗原陵矢をシュートで遊ゴロに打ち取った。

 続く3月31日の楽天戦も0-0の6回に先発・岩下大輝が茂木栄五郎に先制の2点適時打を許し、左の鈴木大地に打順が巡ってきたところで、田中が登板した。田中は鈴木を2球目のストレートで遊ゴロに打ち取り火消し。

 『左内腹斜筋損傷』から復帰した後は、ピリッとしない投球もあったが、それでも春先“左”のリリーフがいないなかで、チームのピンチを救ったのは間違いなく田中靖洋だろう。

▼ 右投手の左打者の成績
益田 直也 被打率.152(112-17)
佐々木千隼 被打率.188(117-22)
国吉 佑樹 被打率.212(104-22)
唐川 侑己 被打率.268(71-19)
小野 郁  被打率.188(85-16)
ハーマン  被打率.233(90-21)
東妻 勇輔 被打率.361(72-26)
田中 靖洋 被打率.265(68-18)


左打者に強かった小野郁


 シーズン通して左打者に強かったのが小野郁だ。左打者の被打率は.188(85-16)。小野は前半戦が終了した時点の左打者の被打率が.173(52-9)、後半戦も左打者の被打率が.212(33-7)だった。

 6月は39人の打者と対戦し6本の安打を許したが、いずれも右打者。左打者に対しての被打率は.000(12-0)、8奪三振、2与四球と1本も安打を許さなかった。その他の月を見ても、8月は左打者に対し.300(10-3)と打たれたが、被打率3割を越えた月は8月のみ。5月(.176)、10月(.111)は左打者の被打率が1割台だった。

 他球団の左打者の対戦成績を見ても、対戦は少ないが首位打者の吉田正尚(オリックス)を2打数0安打1奪三振、打点王の島内宏明(楽天)を4打数0安打と抑え込んでいる。左打者には力強いストレートとスライダーが威力を発揮した。

▼ 小野の月別の左打者成績
3、4月:被打率.267(15-4)振7
5月:被打率.176(17-3)振5
6月:被打率.000(12-0)振8
7月:被打率.250(8-2)振2
8月:被打率.300(10-3)振2
9月:被打率.214(14-3)振5
10月:被打率.111(9-1)振2


出てこいサウスポー!


 ロッテの左投手のリリーフ陣は、中村稔弥、鈴木昭汰といったロングリリーフで投げる投手はいたが、“勝ちパターン”や“左のワンポイント”で起用されるケースは今季に限っていえばほとんどなかった。

 左のリリーフ候補が全くいないわけではない。成田翔は今季一軍で3試合・3回を投げ防御率0.00、左打者に対しては.143(7-1)。昨季セ・リーグ首位打者の佐野恵太(DeNA)を右飛、19年に首位打者に輝き今季は打率リーグ2位の森友哉(西武)を122キロの外角スライダーで空振り三振に打ち取り、自分のスイングをさせなかった。

 6月11日の巨人戦では、松原聖弥を空振り三振に仕留めた配球は見事だった。1-5の9回一死走者なしの場面で、松原に1ボールから投じた2球目の118キロインコーススライダーで体をのけぞらせてストライク、続く3球目の117キロ外角のスライダーでストライク。2ボール2ストライクから最後は、外の120キロスライダーで空振り三振と、内と外をうまく使った良い配球だった。

 ファームでも左打者に対し被打率.161(62-10)と抑えこみ、3月23日の日本ハム戦で難波侑平に安打を打たれたのを最後に、左打者を18打数連続で抑えたということもあった。制球がアバウトなところは気になる部分ではあるが、一軍、二軍、エキシビションマッチでも左打者を打ち取る姿を見せている。

 今季は左打者に強い右投手も多く、右投手中心のリリーフ構成でも問題はなかったが、左投手、右投手ともにバランスよく一軍に登録されているのが理想的。来季以降は、左のリリーフ陣の活躍にも期待したいところだ。

文=岩下雄太

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