ハマの男たちが奏でるブルース
DeNAは2021年シーズンを振り返る球団公式ドキュメンタリー映像作品『BBB(BAY BLUE BLUES)2021』の劇場公開(12月22日から順次公開)に先立ち、メディア向け試写会を実施した。
冒頭は三浦大輔監督にスポットを当て、指導者としての準備期間、お世話になった故人への墓参りなど、“番長”の愛称で親しまれる監督の人となりを紹介。密着カメラは希望に満ちたキャンプインから、今シーズンの裏側に切り込んでいく。
いきなり外国人選手不在で開幕を迎え、黒星先行の苦しい展開。徐々に「勝利」への意識が薄れていくなか、チームの危機を感じたキャプテンと、それをサポートする2人の存在。交流戦前に流されたモチベーションVTRの効果もあり、上昇気流に乗りかけた矢先、今度はけが人続出のアクシデントに見舞われるなど、なかなか歯車が噛み合わない戦いだった。
それでも、三浦監督のもと昨年ファームで研鑽を積んだ若手たち、代打の切り札に成長した天才バッター、戦力外から這い上がってきた右腕、厳しいリハビリを耐え復活してきた左腕トリオ、輝きを取り戻したリードオフマン、ストッパーを争う2人の男のリスペクトと苦悩、数々の記録を塗り替えたスーパールーキー、グラウンド外でもフォア・ザ・チームを徹底する外国人選手たちなど、良い日も悪い日も記録し続けてきたカメラは、2021年シーズンを戦い抜いた男たちの姿を捉えていた。
カメラがチームに1年間密着し、プロ野球の世界の裏側を赤裸々に映し出すドラマは常にリアル。決して順調ではなかった今シーズン。ときには悲しみ、ときには喜んだファンにとっては、特に「BLUES」を感じられる作品となっている。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)