荻野は先頭打者本塁打4本
今季ロッテの佐々木朗希が先発した試合、不動のリードオフマン・荻野貴司が4本の先頭打者本塁打を放つなど、“朗希が投げれば、荻野が打つ”というイメージを持ったロッテファンも多かったのではないだろうかーー。実際に佐々木朗希が投げた試合で、もっとも打った選手は誰だったのか調べてみた。
やはり、1シーズンに佐々木朗希が先発した試合で4本の先頭打者本塁打を放った荻野がチームトップの16安打、トップタイの8打点をマークし、打率は.340。佐々木のプロ初登板となった5月16日の西武戦で先頭打者本塁打を放つなど3安打2打点の活躍を見せたのを皮切りに、5試合で複数安打、11試合中10試合で安打と佐々木朗希を“援護”した。守っても5月16日の西武戦で、呉念庭がセンター後方に放った打球をフェンスにぶつかりながらキャッチした。
荻野とともに、佐々木が投げた試合で打ったのがレアード。本塁打数はチームトップの5本、打点も荻野と並びトップタイの8、13安打は荻野に次ぐ2番目で、打率は.313だった。レアードは佐々木の白星に繋がらなくても、チームの勝利に繋がる本塁打を多く放った。6月10日のヤクルト戦では1-1の8回にセットアッパーの清水昇から決勝の第15号ソロ、9月10日の楽天戦は2回に先制の第21号ソロ、2-2の9回に酒居知史からサヨナラの第22号ソロと、“ここぞ”の場面での一打が光った。
シーズン最終盤に抜群の存在感を見せた岡大海も、佐々木朗希が投げた試合は打率.444(18-8)で、10月だけに限ると打率は驚異の.667(9-6)と打ちまくった。10月は佐々木が投げた試合は全てマルチ安打で、7日の楽天戦は1-1の2回に一時勝ち越しとなる適時二塁打、10月14日のオリックス戦では5-0の6回に勝利を決定づける第5号ソロを放った。
若手選手たちは?
将来は佐々木とともに、チームを引っ張る活躍が期待される若手選手たちはどうだったのだろうかーー。
安田尚憲は本塁打、打点こそなかったが打率.313(16-5)、力強いスイングが持ち味の山口航輝は代打で出場した8月15日のオリックス戦で1-2の5回に一時逆転となる2ラン、藤原恭大はスタメン出場した3試合、いずれも第1打席に安打を放っている。
また、防御率「1.22」と相性の良かった加藤匠馬は守備面での貢献度は高かったが、打撃では13打数1安打、打率は.077と援護ができなかった。来季以降は守りだけでなく、バットでも佐々木朗希を支えていきたいところだ。
佐々木朗希は今季11試合に先発して、63回1/3を投げ防御率2.27だったが、勝ち星は3つ。特に後半戦は防御率1.22で、勝ち星はわずかに1勝と、援護に恵まれなかった。打線は来季、今季以上に佐々木朗希が投げる試合は打っていきたいところだ。
▼ 佐々木朗希が投げた試合の主な打撃成績
荻野貴司 11試 率.340(47-16)本4 点8
レアード 11試 率.310(42-13)本5 点8
中村奨吾 11試 率.205(39-8)本0 点3
藤岡裕大 11試 率.189(37-7)本0 点1
マーティン 10試 率.216(37-8)本4 点6
岡 大海 9試 率.444(18-8)本1 点2
エチェバリア 9試 率.148(27-4)本0 点3
安田尚憲 7試 率.313(16-5)本0 点0
加藤匠馬 7試 率.077(13-1)本0 点0
藤原恭大 6試 率.231(13-3)本0 点1
山口航輝 5試 率.300(10-3)本1 点2
※CSの成績は含まない
文=岩下雄太