完全復活果たしフル回転へ
DeNAの今永昇太投手が22日、横浜市内で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1億円(推定)でサイン。「5勝しかしていない投手が貰える金額ではない。責任感が生まれたのも事実」と球団に感謝した。
昨年10月に左肩にメスを入れ、厳しいリハビリを経て今年5月に一軍復帰。今季は開幕こそ出遅れたものの、19試合(120回)に登板して1完投を含む5勝5敗、防御率3.08を記録し、「投げていくにつれ周囲からは手術明けという見方をされなくなったのが収穫」と自己評価。
5月23日という復帰時期については「一軍に上がれるのが6月よりも後、交流戦終わったぐらいかなと思っていたので、60から80イニングとトレーナーさんとも話していた。大幅に超えることが出来たのは良かった」と満足げな表情を浮かべた。
秋季トレーニングでは新任の斎藤隆コーチと顔を合わせ、「トレーニングにとても詳しい方。コーチング、選手を導く熱量、話し方が上手いと感じた。春のキャンプでは技術の部分でいろんな事を聞きたい」と意欲的。
また、「プレッシャーのかかる部分でパフォーマンスを発揮できない」との悩みから、「技術じゃなくて脳科学からアプローチしていこうと、仁志二軍監督に相談したらオススメの本を頂いたので、このオフ読んで自分のピッチングに落とし込む」と、経験豊富な人材からも意見を取り入れ、あらゆる角度からレベルアップを図る姿勢を示した。
球団については「全てのことをやってくれた。コロナ禍でも選手の要望に応えてくれましたし、他の選手の契約を見ても来年勝たなきゃいけない。勝つということに尽きると思います」と真剣に語った選手会長。完全復活した左腕は再びローテーションの軸に君臨する。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)