“不安解消”で一気にブレーク
21日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース2021』では「年末大反省会SP」と題して、解説陣が今季のプロ野球を振り返る企画を実施。球界を見続けてきた解説者たちが、25年ぶりとなるパ・リーグ制覇に貢献したオリックスの主砲・杉本裕太郎について言及した。
杉本は2015年のドラフト10位でオリックスに入団。昨季までは長打力を期待されながら一二軍を行き来するシーズンが続いていたが、中嶋聡監督が指揮を執るようになった昨季途中から一軍に定着すると、6年目の今季は“不動の4番打者”として自身初めて規定打席に到達し、打率.301、32本塁打、83打点を記録。秘めていたポテンシャルがついに開花し、本塁打王とベストナインに輝いた。
昇降格を繰り返していた“ファームの大砲”が一軍の舞台でブレークした背景に一体何があったのか…。解説陣が口を揃えて言及したのが、昨季途中まで二軍監督を務めていた「中嶋聡監督」の存在。2020年8月から一軍へ“内部昇格”した指揮官が、ラオウを覚醒へ導いたとの見解を示した。
大久保博元さんは「このクラスの選手は代えられるのが怖くて、2打席くらいで結果を出さなきゃって焦るんですけど、それの無い状態。つまり結果論で攻めない監督がいる」とオリックス首脳陣の根気強い選手起用が杉本の打力開花を呼び込んだとの見方を示し、高木豊さんも「働く環境をしっかり整備してあげた」と同調。「(中嶋監督と杉本は)コミュニケーションも結構とってたみたいですし、そういう意味でも安心感があっての成績だったんじゃないか」と話した。
また、金村義明さんは「一軍でチャンスもらったときは『一発しか狙ってなかった』と。それですぐ二軍に落とされる」と杉本のキャリアを振り返りつつ、「代えられることがないというのが大きかった。オフになれば電話にビクビクしていた選手が一気に(ブレーク)ですよ。4打席あれば右に追っつけてコンパクトに打ったのがホームランになったりする。どんどん成長していきましたよね」と、中嶋監督の就任以降に一軍で踏んだ場数が杉本の大ブレークに繋がったと強調した。
とはいえ、首脳陣の“環境整備”に応え、チャンスを掴みきった杉本も見事。育成と勝利を両立した中嶋オリックスの象徴とも言える新主砲から来季も目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』