ショウアップナイター エピソード55
<エピソード35 緊張感でいっぱい! フレッシュオールスターの実況席>
~今年2021年、放送開始から「55周年」のシーズンを迎えたニッポン放送「ショウアップナイター」。これを記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく連載企画~
ショウアップナイター実況担当の清水久嗣アナウンサーが、実況デビュー当時を振り返った。
今年2021年に55周年を迎えるニッポン放送ショウアップナイター。その実況担当であるニッポン放送の清水久嗣アナウンサーが、ショウアップナイターにデビューした時の思い出を語った
「ショウアップナイターのエピソードといっても、語れるほど沢山実況させていただいているわけではないのでデビュー当時の話をしましょう。
実況アナウンサーがデビューするまでの道のりは十人十色ですが、必ず通る『登竜門』的な試合があります。それがプロ野球の若手のオールスターゲーム=フレッシュオールスターゲームです。私が初めて『ニッポン放送ショウアップナイター』にデビューしたのは2007年に松山坊っちゃんスタジアムで行われたフレッシュオールスターでした。イースタンサイドのベンチレポーターを担当し、試合前には当時ルーキーだったロッテ・大嶺祐太投手に初めてインタビューをしました。翌年はデニー友利さんとともに山形から初めて『ショウアップナイター』の実況を、そんなステップアップの舞台がフレッシュオールスターでした」
「そして3年目は札幌ドーム。ちょうどこの頃は各地方局の2〜3年目のスポーツアナウンサーが日々デビューへ向けて練習を行っている時期だったため、今でこそお馴染みになった『各局フレッシュアナウンサーによるリレー実況』が実現しました。私のほかにも札幌STVラジオ・岡本博憲アナウンサー、TBC東北放送・守屋周アナウンサー、東海ラジオ・吉川秀樹アナウンサー、MBS・金山泉アナウンサー、RCC・石田充アナウンサーがそれぞれ1イニングを担当。そして初回と9回は中継ホスト局・STVラジオの永井公彦アナウンサーというラインナップ。今となっては豪華な布陣に見えたかもしれませんが当時は何人かのアナウンサーが実況デビュー戦、もしくはデビューしたばかり。1イニングとはいえ、出番のイニングは当日のくじ引きという斬新(?)な決め方で、最初は自己紹介から始まり和気あいあいとしていたフレッシュアナウンサーたちが、担当イニングが決まり試合が近づくにつれ言葉数が少なくなる光景は実にシュールなものでした。私も実況を経験しているとはいえ、周りには負けられない余計なプレッシャーを感じては一生懸命作ってきた資料に目を落とし、他のアナウンサーも何かを呟きながら放送席の後ろや控え室で硬直している様子は、今となっては微笑ましいものがありますね」