ブレずに育成&柔軟な配置転換も成功
21日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース2021』では「年末大反省会SP」と題して、解説陣が今季のプロ野球を語る企画を実施。20年ぶりとなる日本一に輝いたヤクルトの戦いぶりを振り返った。
2年連続最下位から下剋上Vを果たしたヤクルトは、2年連続でチーム防御率ワーストを記録していた投手陣の再建にも成功。防御率5点台も見えていた2019年「4.78」、2020年「4.61」の連続ワーストから、今季はリーグ3位の「3.48」まで改善し、安定したディフェンスが大躍進を支えた。
2021年シーズンの開幕を振り返れば、神宮でいきなり猛虎軍団に飲み込まれ3連敗。先発ローテーションを固定できないまま開幕を迎え、コロナショックも直撃するなど、高津ヤクルト2年目の船出は決して順風満帆ではなかった。
それでも、楽天から自由契約となっていた新戦力の近藤弘樹がブルペンの一角に食い込むなど、救援陣がバトンを繋ぐように奮投。守護神・石山泰稚の不振もありながら、交流戦前には清水昇、マクガフの必勝パターンが固まり、後半戦は先発の高橋奎二と奥川恭伸が登板を重ねる度に躍動。10月戦線を前に田口麗斗とスアレスをリリーフに回す配置転換もハマり、最後は充実した投手力を武器に頂点まで駆け上がった。
元ヤクルト監督の真中満さんは「開幕のスタートは正直良くなかった。戦っていくうちに若い選手たちが力をつけて頑張ってきた。終盤は苦しかったですけど、最後は勝ちきるんじゃないかなと言うくらい戦力が充実してきていましたよね」と、6年ぶりのリーグ制覇、20年ぶりの日本シリーズ制覇を果たした古巣の戦いを振り返った。
また、野村弘樹さんは「奥川に対してぶれなかった」と、次期エース候補の高卒2年目右腕・奥川を中10日以上あけて起用し続けた点に言及。「終盤に来ると中6日で回すんじゃないかとか、日本シリーズでも(2試合)投げるのか投げないのかというところで、投げさせなかった。投手に関してはブルペン陣もそうですけど、連投が続くと投げさせないというところも含めて、ピッチャーの管理ですよね。ブレずに勝ちきったのが良かった」と、投手陣全体の運営を評価した。
投手陣がチームを支えていたという見方は、野村さんに限らず井端弘和さんも同様で、「終盤どうなるかなと見ていたけど、いくピッチャーいくピッチャーが“自分で連勝を止めないように”という投球をしていたし、その相乗効果があった」とコメント。片岡篤史さんは「石山が調子を落としたらマクガフを後ろにもってきたり、投手のやりくりは見事だった」と、柔軟な投手運用でチーム力を向上させていった高津監督ら首脳陣の手腕を評価していた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』