ロッテの年男は9選手
2022年が幕を開けた。今年の干支は「寅」。ロッテの選手で年男なのは1986年生まれでは美馬学、1998年生まれでは成田翔、佐藤都志也、茶谷健太、種市篤暉、鈴木昭汰、小川龍成、育成の小沼健太、佐藤奨真の9人だ。
ここで注目したいのは、育成選手の小沼と佐藤の2人。年男となる2022年シーズンに向けて意気込みを訊いた。
「まずは支配下選手登録が一番。そこはクリアして、優勝目指していくなかでそのなかの一人になれればなと思います」(小沼健太)
「支配下になることが最優先なので、支配下になったあと、すんなり一軍に入っていけるように準備していきたいと思います」(佐藤奨真)
小沼は昨季二軍最多セーブ
小沼、佐藤奨ともに今年目指すのは、もちろん“支配下選手登録”となり、一軍で貢献することだ。
小沼は昨季開幕からファームで抑えを任され、イースタン・リーグトップの18セーブを挙げ、シーズン最後までその役割を全うした。シーズン中にセーブ機会での失敗は1度もなく、2敗はいずれも同点の場面での登板だった。
正捕手の田村龍弘からストレートとフォークの2球種だけで抑えられるよう助言を受け、実際にストレートとフォークの2球種しか投げていない時期もあった。昨年8月1日の西武戦では4-3の9回に登板し、1イニングを13球で三者凡退に抑えたが、ストレートが10球、フォークが3球。育成の長谷川に対しては6球全てストレートで二ゴロに仕留めた。
「ストレートとフォークで投げていけるというのがわかったので、プラスもう1球種。カーブを練習しているんですけど、いろんな人に聞いて練習しています」と話し、このオフは「技術的には、変化球の精度を一番大事にしている」と昨年11月の秋季練習中の取材で明かしていた。
佐藤は昨季、夏場以降に安定
佐藤奨は昨季、6月まで7試合・29回1/3を投げ、2勝3敗、防御率6.14と苦しんだが、「調子が悪いときにいかに相手のペースにのまれないようにするかが大事かなと考えたときに、その日の一番調子の良い変化球を見つけて、その球を軸にしてやっていこうという考えになってからは、大崩れすることはあまりなくなったと思います」と7月以降は完封勝利を2度挙げるなど、10試合・58回を投げ、5勝2敗、防御率2.17と安定した。
佐藤奨は支配下選手になるために、足りていないと感じる部分にチェンジアップ、まっすぐの強さを挙げた。
「しっかり抑えられている試合はチェンジアップがしっかり投げられている試合が多かった。特に完封した試合は、チェンジアップがうまくはまっていたときだったりするので、落ちる球は有効だなという思いで、2022年のテーマとしてやっています」。
ロッテのサウスポー事情でいえば、小島和哉をはじめ期待の若手、中堅がいるが、一軍に定着している左腕は小島のみ。あとは助っ人のロメロという状況を考えれば、アピール次第で昨年の本前郁也のように早い時期に支配下という可能性もある。
“年男”となる今年、小沼と佐藤奨は支配下選手登録を勝ち取り、一軍で活躍する充実の1年にしたいところだ。そのためにも自主トレでしっかりと準備し、2月1日の春季キャンプからアピールしていきたい。
文=岩下雄太