ニュース 2022.01.09. 10:00

ロッテ、黄金時代に向け準備を着々と ビジョンをもって若手を育成

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ロッテに入団した新人9選手

バランスの良い年齢構成


 1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を目指すロッテは、25歳以下の若手選手が増えてきている。今季に向けては25歳以下の若手が37人おり、井口資仁監督が就任した2018年は、25歳以下の選手は育成選手を含めて22人しかいなかった。

 18年は23歳以下の捕手は1人もおらず、内野手と外野手も25歳以下の右打ちがいない少し歪な年齢構成だった。22年でいえば、捕手は高卒1年目の松川虎生(市和歌山高)、村山亮介(幕張総合高)、高卒2年目の谷川唯人がおり、25歳以下の内野手は右打ち、左打ちともに4人ずつ、両打ちが1人、外野手も右打ち、左打ちともに3人ずつとバランスよく構成されている。

 近年のドラフト会議は“的確”さが光っている。昨年のドラフト会議では、20代後半の捕手が多く、育成選手の谷川を除くと、支配下選手では“97年世代”の佐藤都志也、植田将太がもっとも若かったなかで、1位で松川を指名。2位で指名した池田来翔選手(国士舘大)も補強ポイントのひとつだった“右打ちの内野手”だ。特に二遊間で右打ちの日本人内野手というと、一軍でプレーしていたのはキャプテンの中村奨吾と守備のスペシャリスト・三木亮しかおらず手薄だった。

 3位には“社会人ナンバー1”と高い評価を受けていた廣畑敦也投手(三菱自動車倉敷オーシャンズ)を指名し、4位には左腕の秋山正雲投手(二松学舎高校)、5位で八木彬投手(三菱重工West)を指名した。ロッテの左投手事情でいえば、95年世代の土肥星也、山本大貴から98年世代の鈴木昭汰、佐藤奨真にかけて2人ずつ在籍。98年以降の世代では左腕がいなかったところで、高校生左腕を指名したことは年齢構成を見ても的確だったといえる。

▼ ロッテ25歳以下の選手
<投手>
2018年:11人
2022年:17人

<捕手>
2018年:3人
2022年:5人

<内野手>
2018年:4人
2022年:9人

<外野手>
2018年:4人
2022年:6人


黄金時代に向けた準備


 若い選手を増やしているだけでなく、黄金時代に向けた準備もしっかりしている。

 美馬学、福田秀平、ハーマンなど積極的に選手を補強した2019年オフに、松本球団本部長は「補強もしっかりしたんですけど、とにかく若い野手、投手が増えてきましたので、この辺(96年、97年世代)の年代が将来、2、3年後にでてきてくれれば」とコメントしたように、96年世代の小島和哉は昨季チームトップの10勝をマークし、岩下大輝も自己最多の8勝、リリーフでも小野郁、東妻勇輔が存在感を示した。

 野手は97年世代の選手がチームを引っ張るような活躍を見せられていないが、98年世代の和田康士朗が盗塁王に輝き、99年世代の安田尚憲は春先に一時打点でリーグトップになれば、00年世代の藤原恭大は7、8月度の月間MVP、山口航輝は9本のアーチを描いた。

 高卒の投手は1年目からいきなり一軍で起用するのではなくウエイトトレーニングやランニング、投げ込みなど体づくりを行い、昨季高卒1年目だった中森俊介は「高校の時の時と違ってウエイトトレーニングの頻度が増えたのかなと思います」と振り返り、「投げる部分において下半身が大切になってくるので、ウエイトトレーニングで重い重量をあげることもそうですし、日々のキャッチボールから下半身を意識して投げることをやっていました」と目的意識を持って取り組んだ。

 ファームの若手投手陣は2019年以降、小野晋吾投手コーチ(昨季まで二軍投手コーチ)と面談を行い、何を取り組むべきかその都度確認している。育成の佐藤奨真は「自分のなかでも、コーチのなかでも(ストレートの強さとチェンジアップの強化)一致していたところ。そこが大事だと思います」と、意見が一致したことで、明確な目的意識を持って課題克服に励んでいる。

 野手は体づくりと並行しながら試合に出場し、安田尚憲、山口航輝は2年目までファームでみっちりと鍛え、3年目に一軍の舞台に上がるという流れができている。


育成の振り返りも


 球団として育成方針を振り返ったり、この先の若手選手を育成していくための蓄積されたデータを球団としてしっかり管理もしている。

 河合克美オーナー代行兼社長は昨年11月16日に行われた総括会見で、「今までがあまりにもうちのチームは、データの整備ができていませんでした。新人になればなるほどデータが揃っている。それに対してどこまで目標に達しているのか、達していないのか、1シーズンで見たときに好不調ってでますけど、育成段階の選手はシーズン通してパフォーマンスをフルに出せるだけの体力がないじゃないですか。同時に体力がないなかで、あるレベルで維持させられるかという経験もない。厳しいですよね。若い選手たちは体力的にも経験的にも1年通して、疲れが溜まっているところでもそれを乗り越えて、パフォーマンスを下げずにやっていけるか。これは経験しかない。データで示して、このとき体重が落ちているとかね、いろんなことがデータとしてありますから選手と向き合って、コーチと向き合うことによって、来年度どういう体を作っていくのか、(体力が)落ちそうになったときにどうするのかというのをお互いに納得しながら、ここがクリアできれば、もう一歩上にいけるよねと各選手、コーチが考えるためにもデータが一番。そうでないと、単なる掛け声になってしまう。そうすると選手たちも納得しないでしょう」と話した。

 2020年からは順天堂大学・医学部と提携を結び、コンディショニング、運動能力測定、救急対応、栄養管理部門などのサポートを受け、春季キャンプから現場に帯同している。

 年齢構成もバランスよくなっているだけでなく、球団として明確な育成ビジョンをもって取り組んでいる。あとは選手たちが花を咲かせるだけ。それが今年になるのか、来年以降になるのか分からないが、球団が“常勝軍団”を作るために若手育成を行っていることは確かだ。

取材・文=岩下雄太

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