リハビリに集中すべく代理人を立てて“越年”
オリックスの澤田圭佑投手(27)が19日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉に臨み、400万円減の年俸1700万円(金額は推定)でサイン。
春季キャンプで右肘を痛め、不完全燃焼で終わったプロ5年目からの巻き返しを誓った。
「ここ数年は肘の痛みと戦い、我慢しながら試合に出ていた」という右腕。昨季は14試合の登板で勝ち負けなしの6ホールド、防御率3.86という成績に終わり、11月に肘のクリーニング手術を受けた。
万全の状態で6年目のシーズンに臨むべく、リハビリ中の現在はキャッチボールもできるようになり、室内練習場ではダッシュを繰り返すなど、身体づくりに余念がない。
順調な回復ぶりだが、「いろいろな方から、今回は焦らないようにアドバイスを受けている。万全な状態でマウンドに立ちたい。キャンプでブルペンに立って、オープン戦で登板できるように考えている」と、はやる気持ちを抑える。
今季から延長12回制が復活する可能性も囁かれている中、プロ2年目の2018年に47試合に登板するなど、ブルペンを支えてきた右腕にかかる期待は大きい。
「競った場面で投げなければダメ。しびれる場面で抑えられるように頑張りたい」と口にしたように、勝利の方程式の一員として腕を振り続ける覚悟はできている。
今回ははじめて代理人に交渉をゆだねることになり、球団側の準備期間も含めての“越年交渉”となったのだが、「リハビリに集中するために代理人さんに動いてもらった。僕はハンコをつくだけ。(おかげで)野球に集中することができた」と振り返る。
金額交渉を有利に進めるというより、交渉は専門家に任せて自身は野球に専念。こんなところからも、澤田の2022年にかける意気込み、復活を遂げて連覇に貢献したいという思いが垣間見えた。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)