◆ オーナーからの金言を胸に…
DeNAのルーキー9人が21日、DeNAの本社を訪問。
南場智子オーナーと名刺交換を行った後、DeNAの業務内容やプロとしての心構えについての講義を受けた。
プロ1年目のシーズンを控える新入団選手たちは、ベイスターズの一員であるとともに、DeNAの一員でもある。
まずは南場オーナーと恒例の“名刺交換”。緊張の面持ちでそれぞれが社会人のしきたりを終えると、続いては講義へ。
内容は2つのテーマとなっており、まずは会社説明から。DeNAグループの事業内容にはじまり、企業ミッションでもある“Delight”について、さらには本拠地・横浜スタジアムを軸にした関内地区の再開発などにも言及がされた。
つづいては、プロフェッショナルとしての心構えに関して。
「プロフェッショナルキャリアとは、責任を果たすことが大前提。プロのステージに乗っかることは、消えない記録の始まり」と、アマチュアとプロの違いについて勉強。
また、オーナー自らが2人のプロ野球OBに聞いた話として、「プロで大成する選手としない選手の差」も話題に挙がり、大洋OBのレジェンド・平松政次氏は「思いの強さ」、現フェローの高田繁氏は「工夫」というキーワードから、今後の歩み方についても学んだ。
そして最後はオーナーから、「野球振興」「ファンサービス」「全力プレー」の3つを大切にしてほしいという要望も。
なかでも「プロ野球というステージが存在するのはファンがいるから。ファンへの感謝は最も重要」と強調。多くの人に支えられていることを今一度認識し、講義が終了した。
その後の質疑応答の時間では、育成ドラフト3位の大橋武尊が「挫折や苦労の乗り越え方」について質問するシーンも。
すると、南場オーナーは「ドツボやスランプの時は注目され、好奇心で見られ、穴に落ちたようにも見えるが、これはステージ。注目されて、這い上がるさまを見てもらおうと。見てもらえるのはチャンス」とアドバイス。
つづけて、「負けず嫌いなので、転んでもただでは起きない。転んだことが悔しいので、その悔しさを補って余りある拾い物をする。大失敗しても命を取られる時代じゃない。おおらかに構える」といった金言も飛び出した。
◆ ドラ1・小園「感謝を忘れないように」
講義後、取材を受けた南場オーナーは「初々しくて頼もしい。楽しみです」と印象についてコメント。
また、「満員の横浜スタジアムの素晴らしさを味わわせてあげたい」と、コロナ明けを心待ちにした。
講義を受けたドラフト1位の小園健太は「自分のこれからの野球人生でもタメになる話が多かったので、今日という日をしっかりと自分の糧にして頑張っていきたい」と決意新た。
強調されたファンの大切さについても、「支えがあってこそなので。感謝を忘れないようにしていこうと思います」と、改めて心に刻んでいた。
プロ野球選手として、社会人としての基礎を学んで、いよいよ1年目のシーズンへ…。
残り10日あまりとなったはじめてのキャンプに向かって行く。
取材・文=萩原孝弘