リリーフの負担が大きかった近年の投手運用
ヤクルトは21日、2月1日にスタートする春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。山田哲人、村上宗隆、青木宣親らの主力に加え、明大からドラフト2位で加わった外野手・丸山和郁も沖縄・浦添での一軍キャンプスタート。法大から加わった同1位の左腕・山下輝は、昨秋に左尺骨を疲労骨折した影響もあり宮崎・西都での二軍キャンプ発進となった。リーグ&日本シリーズ連覇を目指すヤクルトキャンプの見どころを探る。
●2年連続で規定回到達者ゼロ、再び延長12回制で先発強化は必須
先発防御率はリーグワーストだった2020年の4.83から2021年は3.63に改善。東京五輪による長期中断も味方につけ、後半戦は奥川恭伸や高橋奎二など若い力がチームの勢いを加速させた。しかし、シーズンを通して見ると規定投球回到達者は2年連続でゼロ。日本野球機構は3年ぶりに延長12回制を再開する方針を固めており、そうなれば自ずとイニングイーターの存在が必要不可欠となる。2019年から3年連続で防御率4点台と苦しむ小川泰弘には安定感を取り戻してほしいところ。若手では奥川や高橋とともに金久保優斗にも通年での活躍が求められる。また、吉田大喜、木澤尚文、山野太一ら、近年のドラフト上位で入団した大卒投手たちの突き上げにも期待したい。
●左腕不在でバリエーションを欠くリリーフ陣
昨季は先発陣がひとりも規定回に届かなかったことで、救援陣は清水昇がセ・リーグ1位の72登板、マクガフは同2位の66登板、今野龍太は同4位の64登板と、リーグ登板数の上位4人をヤクルトの3投手が占めた。蓄積疲労とともに懸念なのが救援左腕不足。昨季は4年目の坂本光士郎が前半戦に好パフォーマンスを披露したが、後半戦は救援失敗が目立ち9月中旬以降は一軍登板なし。終盤戦は先発から配置転換転された田口麗斗の経験に頼らざるを得なかった。昨季36試合に登板した坂本のさらなる飛躍とともに、血行障害からの復活を目指す長谷川宙輝、そして一軍キャンプメンバーに抜擢された宮台康平ら、連覇へ左腕リリーバーの台頭は必須だ。
●レギュラーを脅かす新星の出現に期待
昨季後半はほぼ固定されたレギュラーメンバーで日本一へ駆け上がったが、有事に備えバックアップメンバーの充実は欠かせない。浦添行きのメンバーには育成2年目の内野手・赤羽由紘が大抜擢。昨季後半からファームで非凡な長打力を発揮し飛躍へのチャンスをつかんだ。同じく浦添スタートの武岡龍世、新人でただひとり一軍メンバー入りを果たしたドラフト2位の丸山らも含め、レギュラー陣を脅かす新星の出現に期待したい。
ヤクルトキャンプのメンバー振り分けは以下の通り。また球団は、外国人選手6名の来日は未定としている。
【一軍:沖縄県浦添市】
<投手=20人>
奥川恭伸、石山泰稚、高梨裕稔、原樹理、清水昇、石川雅規、木澤尚文、星知弥、小川泰弘、田口麗斗、杉山晃基、梅野雄吾、大西広樹、高橋奎二、 金久保優斗、大下佑馬、宮台康平、今野龍太、小澤怜史、丸山翔大
<捕手=4人>
中村悠平、内山壮真、嶋基宏、古賀優大
<内野手=9人>
山田哲人、西浦直亨、荒木貴裕、宮本丈、村上宗隆、武岡龍世、松本友、吉田大成、赤羽由紘
<外野手=5人>
並木秀尊、丸山和郁、塩見泰隆、青木宣親、山崎晃大朗
【二軍:宮崎県西都市】
<投手=14人>
山下輝、寺島成輝、山野太一、坂本光士郎、吉田大喜、市川悠太、柴田大地、近藤弘樹、長谷川宙輝、鈴木裕太、久保拓眞、竹山日向、嘉手苅浩太、下慎之介
<捕手=4人>
西田明央、松本直樹、松井聖、内山太嗣
<内野手=7人>
奥村展征、川端慎吾、元山飛優、内川聖一、太田賢吾、長岡秀樹、小森航大郎
<外野手=5人>
中山翔太、坂口智隆、渡邉大樹、濱田太貴、岩田幸宏