かつての夢「中日」より「メジャーリーグ」へ想い
野球韓国代表のイ・ジョンフ選手(23=キウム)が自身の将来について言及し、将来的な海外移籍を「考えているのは事実」と明言した。複数の現地メディアが11日に伝えている。
1998年から4シーズンに渡って中日でプレーした李鍾範(日本時代の読みはリー・ジョンボム)を父に持つ韓国球界のサラブレッドは、高卒1年目のシーズンから5年連続で打率3割以上を記録し、昨季は自身初めて首位打者のタイトルも獲得。このオフには6年目の選手としては史上最高額となる年俸7億5000万ウォン(約7200万円)で契約更改するなど、韓国球界のスター街道を突っ走っている。
プロ入り当初には、父が所属した中日でプレーする夢を持っていると話したこともあり、その去就は中日ファンを中心に一部ファンの間でも度々話題に上がってきたが、近年はメジャー挑戦している先輩選手らの姿に刺激を受けていることもあり、海外移籍の“目的地”がメジャーリーグに移行。このオフに将来的な海外移籍の意向を表明した際には、目的地が「アメリカ」であることを明言した。
名古屋生まれで日本にも縁ある有望株が、「日本」から「メジャーリーグ」志向にシフトした理由は一体何だったのか…。現地メディアによると2021年夏の東京オリンピックでの経験がメジャーリーグへの想いを後押しする転機になったようだ。春季キャンプで現地メディアの取材に応じたイ・ジョンフは以下のように語っている。
「(2019年秋の)WBSCプレミア12も出たが、東京オリンピックにはさらにハイレベルな投手がやってきた。メジャーリーグでオールスターに出場した投手も出てきた。2試合戦ったアメリカ代表の投手はもちろん良いボールを投げてくるけど、日本の投手よりも対応できる可能性があるように感じた。日本の投手は変化球攻めをしてくるため対応するのが難しい。アメリカの投手は強いボールを投げ込んでくるけど攻撃的に勝負してくる。私も攻撃的な打者なので、アメリカのスタイルの方が自分に合うと思う」
イ・ジョンフは、その他にもキャンプでアリゾナを訪れた際に抱いた憧れや、所属チームで兄貴分だった元同僚キム・ハソンのパドレス移籍など、第一線で活躍する中で受けた刺激を糧にメジャーリーグ挑戦への想いを育んできたこと明かした。
韓国球界では7シーズン以上一軍でプレーした選手に「ポスティング」の資格が与えられるため、夢のメジャー挑戦は最短で2023年シーズン終了後となる見込み。
自身を取り巻く海外移籍に関する報道は年々熱を帯びてきているが、「もっと頑張って、そのような評価に相応しい選手になるべきだと思う」とキッパリ。「私にはあと2年、果たさなければならないことがある。黙々と成果を積み上げれば挑戦する機会が訪れるでしょう」。
もはや海外移籍は時間の問題。韓国球界を代表するスター選手は2年後にどこでプレーすることになるのか。今季終了後にも再び去就問題が話題になるはずだ。