現役時代5年連続2桁勝利を挙げ、2005年のリーグ優勝・日本一に“エース”として貢献し、現役引退後は2年間投手コーチを務めたロッテOBの清水直行さんに“7つのテーマ”でロッテ投手陣について語ってもらう第5回は、“リリーフ”だ。
リーグ優勝をするためには、リリーフの安定、“勝利の方程式”の確立は必要不可欠。ロッテは2年連続で2位となっているが、リリーフ陣の頑張りによるところが大きい。
13年ぶりの2位に入った20年は唐川侑己、ハーマン、澤村拓一(現レッドソックス)、益田直也の“勝利の方程式”に加え、小野郁、東條大樹といったビハインドゲームで登板の多かったリリーフ陣も1週間の登板管理がされていたこともあり、3連投、1週間に4試合以上の登板が非常に少なく、チーム救援防御率はリーグ2位の3.30をマークした。
21年は春先勝利の方程式として期待されたハーマンが不調に苦しんだが、開幕から13試合連続無失点に抑えた唐川が安定。しかし前半戦は、ハーマンの不調や唐川の一軍登録抹消などもあり、なかなか勝利の方程式が固定されなかった。東京五輪明けの後半戦は7回・国吉佑樹、8回・佐々木千隼、9回・益田と勝利の方程式が確立。“勝利の方程式”だけでなく、昨季はそこに唐川、小野郁、東妻勇輔、田中靖洋などもおり、非常に充実した陣容だった。
“勝利”に直結するリリーフ陣の出来、不出来が重要になってくる。
清水さんは「益田がいなかったら昨年は大変だったとすごく思います」と、今季も益田がリリーフの中で重要な存在だと見ている。
昨季春先リリーフ陣の状態が上がらなかったなかでも、開幕から2試合連続で失点した益田は状態をあげていき、9回のマウンドに君臨し続けた。
「特に昨年は9回で打ち切りという部分で、マリーンズは助けられた部分があるんですよ。もちろん各球団引き分けが増えたというところがありますけど、益田が1年間いてくれて、なんとか投げられる状態にあったので、もちこたえた部分があります。ただ、益田に代わる人間がでてこないと、もうそろそろまずいなと思います。他のピッチャーの頑張りどころ。土居、小野に期待ですね」。
昨季後半戦から“セットアッパー”を務めた国吉佑樹、佐々木千隼についても「国吉、佐々木千隼にしても、(他球団は)対策してくると思う」と指摘する。
「国吉は高めのボールを振ってもらって、ファウルになってカウントをとったりとか、見極められてコントロールが悪くなったときでも、思い切って勝負にいけるかというのが問われてくる。カウントが悪くなっても腕を振ってストライクで勝負いけるのか。ここが国吉としては課題だと思う」
「(佐々木)千隼は今年掴まなきゃいけないのは、シンカーなのか、スライダーなのか、まっすぐなのか、もっといえば違うボールを覚えるのか、四球を絶対出さないというくらいの制球力を身につけるのか、彼が絶対的に取り組まなきゃいけないところ」。
東妻と小野はこの2年で経験を積み、勝利の方程式の投手が連投だったときには勝ち試合の7回や8回のマウンドにも上がったことがある。今季は勝ちパターンで投げるくらいの存在になって欲しいところ。
「フィニッシュのボールがすごく大事。東妻はフィニッシュのボールで苦労していますよね。ファウルが取れたり、シュートで詰まらせたりできるんだけど、空振りをとっていける、バットに当てられない変化球というのをひとつ武器としてもたないと」。
「東妻はどうしても横の変化に頼ってしまう。そのなかで、唐川は縦のカーブを使ったり、チェンジアップを使ったり工夫している。東妻もいろんなものを試しながら、空振りを奪える変化球。まっすぐは力があるので、そこかなと思っています。小野に関しては球に力はあるので、制球力があがってくることが勝ちパターンへの近道だと思います」。
“左”のリリーバーがいないことも不安材料だ。清水さんも「左の中が出てこないと困るね」と話した。「リリーフに中村稔弥なのか、鈴木なのか、山本なのか、成田なのか、ブルペンは左がどれだけ1年間いてくれるかだと思いますね」。
コロナ禍により20年が10回、21年が9回打ち切りだったが、今季は再び延長12回まで戦う方針。先発投手が長いイニングを投げた方がいいのか、それともベンチにロングリリーフ要因をベンチにいると助かるのか、第6回は“延長12回制の復活と戦い方”をテーマに語ってもらう。
取材・文=岩下雄太
リーグ優勝をするためには、リリーフの安定、“勝利の方程式”の確立は必要不可欠。ロッテは2年連続で2位となっているが、リリーフ陣の頑張りによるところが大きい。
13年ぶりの2位に入った20年は唐川侑己、ハーマン、澤村拓一(現レッドソックス)、益田直也の“勝利の方程式”に加え、小野郁、東條大樹といったビハインドゲームで登板の多かったリリーフ陣も1週間の登板管理がされていたこともあり、3連投、1週間に4試合以上の登板が非常に少なく、チーム救援防御率はリーグ2位の3.30をマークした。
21年は春先勝利の方程式として期待されたハーマンが不調に苦しんだが、開幕から13試合連続無失点に抑えた唐川が安定。しかし前半戦は、ハーマンの不調や唐川の一軍登録抹消などもあり、なかなか勝利の方程式が固定されなかった。東京五輪明けの後半戦は7回・国吉佑樹、8回・佐々木千隼、9回・益田と勝利の方程式が確立。“勝利の方程式”だけでなく、昨季はそこに唐川、小野郁、東妻勇輔、田中靖洋などもおり、非常に充実した陣容だった。
“勝利”に直結するリリーフ陣の出来、不出来が重要になってくる。
清水さんは「益田がいなかったら昨年は大変だったとすごく思います」と、今季も益田がリリーフの中で重要な存在だと見ている。
昨季春先リリーフ陣の状態が上がらなかったなかでも、開幕から2試合連続で失点した益田は状態をあげていき、9回のマウンドに君臨し続けた。
「特に昨年は9回で打ち切りという部分で、マリーンズは助けられた部分があるんですよ。もちろん各球団引き分けが増えたというところがありますけど、益田が1年間いてくれて、なんとか投げられる状態にあったので、もちこたえた部分があります。ただ、益田に代わる人間がでてこないと、もうそろそろまずいなと思います。他のピッチャーの頑張りどころ。土居、小野に期待ですね」。
昨季後半戦から“セットアッパー”を務めた国吉佑樹、佐々木千隼についても「国吉、佐々木千隼にしても、(他球団は)対策してくると思う」と指摘する。
「国吉は高めのボールを振ってもらって、ファウルになってカウントをとったりとか、見極められてコントロールが悪くなったときでも、思い切って勝負にいけるかというのが問われてくる。カウントが悪くなっても腕を振ってストライクで勝負いけるのか。ここが国吉としては課題だと思う」
「(佐々木)千隼は今年掴まなきゃいけないのは、シンカーなのか、スライダーなのか、まっすぐなのか、もっといえば違うボールを覚えるのか、四球を絶対出さないというくらいの制球力を身につけるのか、彼が絶対的に取り組まなきゃいけないところ」。
東妻と小野はこの2年で経験を積み、勝利の方程式の投手が連投だったときには勝ち試合の7回や8回のマウンドにも上がったことがある。今季は勝ちパターンで投げるくらいの存在になって欲しいところ。
「フィニッシュのボールがすごく大事。東妻はフィニッシュのボールで苦労していますよね。ファウルが取れたり、シュートで詰まらせたりできるんだけど、空振りをとっていける、バットに当てられない変化球というのをひとつ武器としてもたないと」。
「東妻はどうしても横の変化に頼ってしまう。そのなかで、唐川は縦のカーブを使ったり、チェンジアップを使ったり工夫している。東妻もいろんなものを試しながら、空振りを奪える変化球。まっすぐは力があるので、そこかなと思っています。小野に関しては球に力はあるので、制球力があがってくることが勝ちパターンへの近道だと思います」。
“左”のリリーバーがいないことも不安材料だ。清水さんも「左の中が出てこないと困るね」と話した。「リリーフに中村稔弥なのか、鈴木なのか、山本なのか、成田なのか、ブルペンは左がどれだけ1年間いてくれるかだと思いますね」。
コロナ禍により20年が10回、21年が9回打ち切りだったが、今季は再び延長12回まで戦う方針。先発投手が長いイニングを投げた方がいいのか、それともベンチにロングリリーフ要因をベンチにいると助かるのか、第6回は“延長12回制の復活と戦い方”をテーマに語ってもらう。
取材・文=岩下雄太