カーブ?スライダー?能見は苦笑い
オリックスの能見篤史兼任コーチが、宮崎キャンプ第5クール最終日の20日に行われた紅白戦に初登板した。
強風がグラウンドを舞う中での登板。「僕が投げる時は、ずっと寒い。まあまあ、こたえますよ」と、8メートル前後の風と6度程度の低い気温にも軽口が飛び出すのは、状態がいい証左なのだろう。
そんな悪条件の中でも、42歳、18年目の左腕は、紅組の先発で登板し、2イニングを33球、1安打、1三振、1四球で1失点とまとめた。
この時期の調整でこだわっていることは、「真っすぐです」と言い切った。「変化球も投げましたし、右打者のインコースは元々、突こうと思っていたので、その辺は予定通りかなと思う」と、登板前の自身のテーマに沿った投球が出来たことに満足の表情を浮かべた。
苦笑いで返したのは、球種を問われた時のこと。2回の先頭打者、杉本裕太郎を含めカーブとみられる変化球があったことについて、「スライダーです。風があったので、普通に投げると曲がるので、縦系に投げていた」。普段はカーブは投げないといい、スライダーが曲がりすぎないように風の影響を避ける“ベテラン”の技だったようだ。
「順調かどうかは、この歳になると順調がどのあたりかがわからない。あとは試合に入ってどう変わっていくかというところ。(課題は)多分、これから出てくると思う」と、ここでもベテランらしい自己分析だった。
能見について、中嶋聡監督は「この時期、どのくらい投げられるのか、どのくらい投げたら大丈夫なのか、本人の感覚ですから。そこに関しては何にも」と全幅の信頼を置いていた。
取材・文=北野正樹(きたの・まさき)